巨吉

 昨日はその後、友だちの車に同乗して沼津市獅子浜にあるタムタムギャラリーへ、主の立体造形作家田村映二氏を訪ねる。氏から住友商事の今年のカレンダーを見せてもらう。六枚の絵は一点一点、気の遠くなるなような作り込み。過去の作品、キャラクター総登場、タムタムワールドの集大成といえる朗らかなものになっている。懐かしき未来という言葉が浮かんだ。ここで表された無理のない緩やかな生活こそ、これから向かうべき世界ではないか。百カ国以上の国へ配られるという。

 昨日話題の久原大河君の個展の推薦文『才難は、この若者に降りかかった』へのお礼の葉書があった。《 感激しました。》そんなこともあったなあ。最初の出会いのポスターは2000年4月8日に三嶋大社境内で催された早坂紗知、鬼怒無月らのバンドのジャズコンサート。伊豆新世紀創造祭の無料イヴェント。歌麿ビードロを吹く女のパロディで、サックスを吹いている女の先には三嶋大社のおみくじ。そこには手書き文字でこう書かれている。

《 第十八番 巨吉 

  運勢  万事成りゆきのままに身をゆだねる事。運気はいまのところ停滞しているが、四月八日の夜七時に三嶋大社を訪れれば、日本のサックスクイーンなる者が、四人の化け物をひき連れて現れ、物事はひとりでに発展してゆく。短気を起こさずわくわくとして待て。 

  金運  たとへ文無しでも幸せなり。

  待人  早坂紗知がスタアアラップ・スペシャル・メンバアでやってくる。

  病気  少しばかりイカれているのも健康のうち。

  縁談  四月八日、夜桜の下のウルサイ場所にて行えば良し。

  学業  放ったらかせ。

  願望  これ以上ナニを望む。》