100年70年

 毎日新聞昨夕刊、『ことばの周辺』大井浩一「萩原朔太郎と大正文学」の冒頭。

《 今年は石川啄木の没後100年に当たるが、啄木と同年生まれの萩原朔太郎(1886〜1942)の没後70年でもある。》

 石川啄木萩原朔太郎。どちらも愛着のある作家だ。斎藤茂吉の短歌にはどうも親しめないが、石川啄木には共鳴する。中原中也の詩にはこそばゆい感じがつきまとって読み通せないが、萩原朔太郎には共感する。

《 その魅力を知るには、詩人の野村喜和夫さんの近著『萩原朔太郎』(中公選書)が道案内になる。》

《 野村さんによれば、朔太郎は妹の同級生だった女性(洗礼名エレナ)に思いを寄せたが、彼女は他家へ嫁ぎ、さらに若くして結核で死んでしまう。》

 司修『エレナ! 萩原朔太郎[郷土望景詩]幻想』小沢書店1993年初版を再読。朔太郎の詩に司修が絵を添えている。「エレナ」に言及した詩はないが、掲載詩はどれも失われた時への深い哀傷に満ち満ちている。朔太郎の詩への深い感動から生まれた絵が、こちらの心にも共感の深い航跡を刻む。

 リンクページを手直し。更新状態などによって、リンク先をときどき添削している。今回は高橋松亭の研究サイトの私の英訳などを追加。

 ブックオフ長泉店へ。小さい段ボール一箱分の古本を処分。310円也。5冊値がつかなかったので、予想価格350円はほぼ当たった。