1910年

 18日(土)は休館します。

 1979年、今はなきリッカー美術館で催されたハインリッヒ・フォーゲラー展の図録には竹久夢二は一つも言及されておらず、この三十年余気になって仕方がなかった、昨日記した仮説(フォーゲラーの夢二への影響)が、樋田直人『蔵書票の魅力』丸善ライブラリーを通読して、いとも簡単に証明されてしまった。

《 次々とロマンティシズムの作品を誕生させたハインリヒ・フォゲラー(一八七ニ〜一九四ニ)は、一九一○年に白樺派による日本最初の彼の作品展示会行われたが、彼の思潮に、当時の日本の作家は大きく影響を受け、中でも川路柳虹竹久夢二らが、競ってロマンティシズムの書票を作ったのもこの頃である。》27頁

《 明治四四年十月、東京・赤坂の霊南坂下三会堂で、白樺主催の版画展覧会が開催された。(引用者:略)そして、こぼれ話として、この展覧会の第一号入場者は竹久夢二で、彼は朝八時の開場の二十分も前にやってきて開館を待ったというから、いかにこの展覧会を期待をもっていたかがわかる。》42-43頁

《 一九一○年代には、(引用者:略)竹久夢二も、ハインリヒ・フォゲラー調のロマンティシズムの書票を作った。》 50頁

 樋田直人『蔵書票の魅力』は、明治期の美術・文芸から学校制度までが、じつにわかりやすく簡明に記述されていて、今まで読んだ本で、最も理解しやすい本だった。これはいい本だ。

 K美術館の本棚には『月刊美術』1995年7月号がある。特集は「蔵書票の魅力」。副題は「紙の宝石」。樋田直人『蔵書票の魅力』1992年の副題は「本を愛する人のために」。この方向性の違いが誌面に表れている。

 二十世紀初頭の画家では、2003年東京のブリヂストン美術館で開催された、レオン・スピリアールト Leon Spilliaert が印象深い。また見たい 画家の一人。

 ネットの拾いもの。

《 北海道でこのあいだ初めて食ったが、赤飯に甘納豆はガチで旨かった。九州人

  甘納豆って赤飯以外でなにに使うかよくわからない 。どさんこより 》