孔雀狂想曲

 18日(土)は休館します。

 北森鴻『孔雀狂想曲』集英社2001年初版を読んだ。骨董店・雅蘭堂を舞台に起きる八つの事件。八篇とも鮮やかな切れ味で魅了された。ファンサイトで一番人気もうなずける。

《 野望によって支えられた精神力はしなやかで強(したた)かだったけれど、永久機関にはなりえなかった。》「ベトナム ジッポー・1967」

《 古物商に必要なのは品物の善し悪しを見分ける眼ばかりではない。この世界にも流行り廃りはついて回るから、五感で捉えることのできない時代の風を読みとる勘もまた、必要な感覚器のひとつといえる。》「ジャンクカメラ・キッズ」

《 あるいは、価値も知らずに、誰かに与えてしまったのかもしれない。美術品に付随する価値とは、しょせんその程度のものでしかない。それをすばらしいと思わぬ者にとって、油絵とはキャンバスと絵具の塊に過ぎないのである。》「幻・風景」

《 沈黙はいつでも真実の重みを持っている。》「幻・風景」

 集英社文庫版の解説は木田元

《 では、北森鴻の魅力はどこにあるのか。
  まず、北森鴻は人物の造型が実にしっかりしている。》

《 北森鴻は、短篇でも長篇でも、実にキチンとしたプロットを立てる。だから、話がかなりこみ入ってきても、安心して読んでいられる。それに落ちがキパッと決まる。よほど頭がいいのかもしれない。》

《 なにを書くにも、調べぬいていいかげんにすまさない職人芸に、私は惹かれているのかもしれない。》

 誠に同感。

 ネットの拾いもの。

《 コーヒーメーカー=おいしいコーヒーを作る機械だと勘違いしてた。

  ただの自動コーヒー淹れ機だった。》