招かれざる客

 お昼前は広島県から味戸さんの絵を観に来館者。午後は堺市の職員の方を源兵衛川などへご案内。どちらのお客さんも満足されただろうか。できることはしたから、ま、いいか。

 笹沢左保の第一長編『招かれざる客』(1960年初刊)光文社文庫1999年初版を再読。山前譲の解説から。

《 長篇推理『招かれざる客』は「事件」と「特別上申書」の二部構成になっている。いわば「事件」が問題編であり、つづく「特別上申書」が推理編である。》

《 暗号、鉄壁のアリバイ、密室状況で消失した凶器、隠された動機と、さまざまな謎が重層的に読者を推理の迷宮に誘う。それが探偵によって徐々に、かつ論理的に解かれ、真相が明らかにされる。これこそまさに本格推理の醍醐味である。》

《 探偵はあくまでも与えられたデータから推理する。倉田警部補が推理を重ねていく姿に思わず引き込まれ、最後まで一気に読んでしまうのが後半の「特別上申書」である。》

 そのとおりなんだなあ。ミステリの醍醐味を堪能。再読したのは、毎日新聞「この人この3冊」が笹沢左保だったから。「木枯し紋次郎」シリーズ、『招かれざる客』そして『人喰い』。『人喰い』は内容を覚えていたけど、『招かれざる客』は内容をすっかり忘れていた。再読途中で少し思い出したけど。時間のトリックは後年、綾辻行人時計館の殺人』でも使われた。

 ネットの拾いもの。

《 芸能ニュースで、家賃滞納しているオセロ中島の部屋から

  複数の荷物が、宅急便のトラックで運び出された、と報じていた。

  荷物の中には、八角形の鏡などとか、霊能者の所持品もあって

  これを運んだ宅急便は、「魔女の宅急便」と呼ばれるのだろうか。》