ターン

 昨夜は白砂勝敏氏の車に同乗、富士市のカ−ポス工作所の「それぞれの書架」展の集まりへ初参加。ユニークな展示品を鑑賞し、歓談。帰宅は午前様。

 朝、石巻から来た人たち(子ども多数)を源兵衛川へ案内。途中、伊豆箱根鉄道駿豆線際では電車の写真を撮る撮りテツの子ども。川へ入って魚取り。後は任せて美術館へ。

 北村薫『ターン』新潮社1997年初刊1997年5刷を読んだ。二十九歳の銅版画家を志す独身女性が交通事故に遭い、誰一人いない世界へ投げ出されてしまう。見慣れた風景なのに、つい今しがたまで人がいた痕跡があるのに、人をはじめ生きているものは何もない。そして午後三時半になると、一日前の世界に戻って(ターン)しまう。その繰り返しの世界。絶望的な世界で生きていて、あるとき偶然に実世界と電話がつながる。それも肉親ではなく、赤の他人の一人の男性だけに通じる電話。

《 「会ってるじゃないか」
   そういわれて、一瞬、震えた。泉さんは続けた。
  「面と向かったって、会ってない人たちはいくらでもいるよ」》「第八章」

 まさしく命の電話だ。最後の一頁、恩田陸の『夢違ひ』を連想。こちらも女性がどこかへいってしまい、男性が待つ。待つのは男かあ。

 ネットの見聞。

《 東武鉄道では業平橋駅がとうきょうスカイツリー駅に改名されました。これについては賛否両論があるようですが、合わせて一部の下り特急列車と全ての上り特急列車がとうきょうスカイツリー駅に停車するようになりました。ところが全ての快速と区間快速とうきょうスカイツリー駅を相変わらず通過するのです! 》