明日3日(火)休館します
いい天気。一日のんびり過ごす。美術館近くの河津桜は見ないうちに葉桜に。染井吉野は三分咲きから八分咲き。豪勢な宴はもうすぐだ。白木蓮、辛夷の白が眩しい。スプリング・エフェメラルの趣。ああ、春。
北森鴻『親不孝通りディテクティブ』講談社文庫2006年初版を読んだ。福岡博多中洲に屋台のカクテルバーを営む三十歳間近の男を主人公に、元同級生のオチャラカ友だちの結婚相談所調査員と挑む、トンデモ事件の数々。六編を収録。
《 今夜の出来事を長い人生におけるささやかな再会劇と、俺はとらえたかった。再会は再出発をも意味している場合がある。若いときは孤独を愛していたほどなのに、といった奈津美の言葉には、すでに孤独を愛せなくなった者同士だけがわかる切実な願いのようなものがある。》「ハードラック・ナイト」
ドタバタ・ハードボイルドのなかに、こんなセリフが紛れ込んでいる。巧い。