相聞歌の待ち伏せ

 ドッキリを期待して河野裕子(かわの・ゆうこ)自選相聞歌集『あかねさす』沖積舎1982年を読んだ。

   たとへば君ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか

   ブラウスの中まで明るき初夏の陽にけぶれるごときわが乳房あり

   喪ひて再び返り来ぬものを瀑布のごとく昏れゆく坂よ

   天体は予感のやふに光りつつ汝よゆきずりの一人とはせぬ

   たつぷりと真水を抱きてしづもれる昏(くら)き器を近江と言へり

 記憶しているので待ち伏せされたドッキリ感は乏しいけれど、ドキドキ感はある。

 ネットの見聞。

《 女装図書館、御徒町東京新聞4月20日)「「図書館」の名称には、静かな時間を過ごしてもらいたいというメッセージをこめた。これまでも「女装サロン」やクラブ・・・騒々しくて落ち着けるものではなかった。女装しない男性は原則入場禁止、「禁酒、禁煙、禁欲」をルールにした。」》

《 国際関係論では、「管理できる危険」を「リスク」、「管理できない危険」を「デインジャー」と呼び分ける。「晴天型」の競争主義者は「負けるリスク」のことしか考えない。だから「デインジャー」については何も考えない。》

 女と男……時々ドキドキ、ドッキリ、デインジャー