牧村慶子さんの姪子さんが来館。展示の仕方(額装なし)をとても喜んでくださる。やれやれ。
女性歌人なら、葛原妙子だろう。と、本棚から『現代歌人文庫 葛原妙子歌集』国文社1986年初版を抜き、全歌収録の『葡萄木立』1963年刊を読む。小さい活字で二段組。楽しめないなあ。大判の『葛原妙子歌集』三一書房1974年初版を取り出す。これは大きい活字で一段組。なんでこれを出したかというと、以下の一首にドッキリ。誤字かと。
《 椅子に睡るひとときは醜魔の刻(とき) あらわるる人形のおもてましろき 》
醜魔とは。手元の辞書には載っていない。醜魔の待ち伏せ。目が醒めた。
《 晩夏光おとろへし夕 酢は立てり一本の壜の中
たれかいま眸を洗へる 夜の更に をとめごの黒き眸流れたり
三月のよごれし硝子あかるみぬ生きをりて死別の意味を知る日に
ただにあかるき窓のへありぬひらひらと文字なき紙のめくれつつあり
天秤の目盛のかげにわがみたり死をよそほへるうつくしき秋を
夜の波眩しき断崖(きりぎし)のもと破船は舳を宙に立てたり
海の大岩うらら洞(うつろ)となりをればなまあたたかきうしを充ちゐき 》
「三月の」、昨年の大震災を想起させる。明日へ続く。
ネットの拾いもの。
《 コンビニでお会計の際に、「ポイントカードは持っていないし不要です」「コンビニの袋も不要です」「チンする必要はありません」という煩わしい3つのメッセージを一語で完結に伝える言葉として、それぞれの頭文字を取って『ポコチン』を提案したい。》