不在の加藤郁乎

 朝刊で加藤郁乎氏の訃報を知る。十代の末、氏の俳句で現代の詩歌に開眼。その一句。

《  冬の波冬の波止場に来て返す  》

 いつぞやの年賀状に墨痕鮮やかな一句。

《  年立つや一ニ三四五六七  》

 四十年あまり前、西池袋の夏目書房で安く売っていた詩集『荒れるや』思潮社1969年を購入。フーリエについてファンレターを出し、以来四十年ほど手紙を交わした。『加藤郁乎詩集』思潮社収録のエッセイにある「静岡県三島市の一青年」とは私のこと。氏の勤めていた麹町の日本テレビでお目にかかり、新宿のスナック薔薇土での出来事など、思い出が脳裏を巡る。薔薇土で加藤郁乎氏から中井英夫氏を紹介された。おお、この方があの名作『虚無への供物』の作者……。

 わが文学魔道の先導者、加藤郁乎、中井英夫そして種村季弘三者とも鬼籍に入ってしまった。文学がつまらくなった。

 ネットの拾いもの。

《 ドナ・サマーが亡くなったと聞いて驚き、でも彼女の顔を思い浮かべようとしたらティナ・ターナーしか出てこない自分の映像記憶力のいい加減さにさらに驚く。 》

《 玉袋筋太郎さんがフランス座修行時代、ストリップの選曲でドナ・サマー「ホット・スタッフ」をかけるとストリップ嬢に喜ばれたらしい。つかれてるときに早い段階でスパッと脱げるから。 》