休館日/吾輩はシャーロック・ホームズである

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で三冊。村上春樹1Q84』新潮社2009年12刷帯付、藤桂子・藤雪夫『黒水仙創元推理文庫2010年初版、藤桂子『疑惑の墓標』創元推理文庫2010年初版、計315円。

 柳広司『吾輩はシャーロック・ホームズである』角川文庫2009年初版を読んだ。題名から推察されるように、二十世紀初頭、ロンドンに留学していた夏目漱石が精神を病み、自分をシャーロック・ホームズと思い込み、居合わせた降霊会で起きた殺人事件の解決に奔走するというもの。うまく出来てる。感心。漱石の『倫敦塔』を先に読んでおくことを勧める。うまく取り込んであって、興趣ががぜん深くなる。『草枕』も読んでおくと面白い。

《 某月某日──微行はちょっと洒落ているが尾行は一向幅が利かない。だいいち尾行などするのは探偵ばかりだ。 》 『吾輩はシャーロック・ホームズである』

《 都会は太平の民を乞食と間違えて、掏摸(すり)の親分たる探偵に高い月俸を払う所である。 》 『草枕

《 きみたちの言う文明化とは、野蛮化の謂なのか? 》 『吾輩はシャーロック・ホームズである』

《 文明はあらゆる限りの手段をつくして個性を発達せしめたる後、あらゆる限りの方法によってこの個性を踏み付け様とする。 》『草枕

 山田風太郎『黄色い下宿人』、島田荘司漱石と倫敦ミイラ殺人事件』と並ぶかも。

 ネットの見聞。

《 原発事故と同じで、米国や英国で脳死判定後の蘇生があっても、日本ではありえない、という過信が医学界に存在しています。 》 森岡正博

 諸外国・地域の日本産食品の輸入規制措置 。

《 ウソを信じ込ませるには肩書きがいる。本当のことを話すには、肩書きなんていらない。 》

 ネットの拾いもの。

 ユーモア小説『ぶたぶた』シリーズで知られる矢崎存美 (ありみ)。

《 在美さんじゃなくて存美さんですよー。あたしも以前間違えて「ゾンビと覚えてください」と教わったことがw 》