芸術起業論/ツ

 昨晩のNHK名古屋放送局『金とく』特集「原発のできなかった町で」は印象深かった。三重県南伊勢町大紀町

《 この地域の人びとは、半世紀にわたって原発を自らの問題として考え続けてきたのです。そしていま、地元では、豊かさとは何かを問う新たな模索が続いています。 》

 昨晩の反原発デモ。

《 現場でスタッフがある1区間だけを数えても1万人。最後の方は道路が通行止めになり道路中に人が埋め尽くし、一部は日比谷公園に誘導されている、という状態。我々取材班の肌で感じた人数は4〜5万人、といったところでしょうか。 》

《 官邸前再稼働反対デモは整然と行われている。暴徒化する気配ゼロ。ボランティアスタッフが道路で誘導。ルールの枠の中で皆さんができる限りの怒りの声をあげている。素晴らしい!日本型デモ。  》

 NHKの記事。東京新聞一面トップ記事。毎日新聞でも一面に記事 にしていた。

《 デモ行進はなし。官邸前でひたすら「再稼働反対」と叫ぶのが特徴だ。なぜ、これほど多く集まるのか──。 》

 昨日取り上げた村上隆『芸術起業論』幻冬舎の前半からうなずく箇所。

《 日本では求道的な芸術家像が信奉されがちで人間国宝とか文化勲章作家が根強く支持されもしますが、過去の日本美術史で否定されてきた人物こそが、一流の芸術家なのかもしれないのです。 》43頁

《 欧米での芸術の仕事を通してぼくが実感しているのは「本当の批評は創造を促す」ということです。 》52頁

《 歴史に残るのは、革命を起こした作品だけです。/ アレンジメントでは生き残ることができません。 》77頁

《 美術の世界の価値は、「その作品から、歴史が展開するかどうか」で決まります。 》79頁

《 天才が空白状態の中で作るものは歴史をガラリと変える可能性もあるのですけれども、水準が高すぎたり時代の先に行きすぎたりしているために、リアルタイムでは正当な評価を受けられないかもしれないのです。 》105頁

《 十九世紀の芸術に流通した「自発性」は長い芸術の歴史の中ではむしろ例外的なルールなのですが、日本ではいまだにこれこそが芸術だと信じられています。 》107頁

《 芸術において自前の権威や力のない日本では「外国で人気がある」という宣伝文句は、絶大な信頼として機能。 》 112頁

 以上、そうそう、とうなずいたことの一部。彼の情熱迸る語り口は、意外と面白い。もうひとつ。

《 日本人の説明は真面目一辺倒でつまらなくなりがちですが、ものを伝えることは娯楽だと割りきらなければなりません。 》152頁

 同じことを視察の案内で心がけている。明日も視察だ。

 東京新聞朝刊にK美術館年末閉館の記事、と知人から電話。さっそく購読。うまくまとめてある。恥ずかしいなあ。

 ネットの拾いもの。

《 「ツ」←ロシア人はこれをsmile markとして使ってるらしい。俺たちもロシア語の「Д」をよく使ってるからなんかいい感じだよね。この際、「ツ」を流行らせよう 》