戦争画

 朝、ブックオフ長泉店で二冊。『田中一光』トランスアート2003年4刷帯付、吉田浩美『ア・ピース・オブ・ケーキ』筑摩書房2002年初版帯付、計210円。

 今夜のNHK・BS極上 美の饗宴は藤田嗣治戦争画。どんな内容かな。

 いつだったか、東京国立近代美術館の常設展示で藤田嗣治戦争画を観たことがある。『アッツ島玉砕』1943年だったと記憶している。高さ194センチ、幅260センチの大画面から迫る壮絶な描写に圧倒された。圧倒されたのは描かれた悲惨さではなく、綿密に構成された構図と、それぞれの個人が見せている豊かな人間性という、じつに演劇的な奥行きの深さだった。目を蔽いたくなる悲惨さは、ほとんど感じなかった。今にして思えば、演劇の群集劇を目前にしているようだった。崇高さえ感じさせる品格ある絵画だ。これぞ息を呑む名画だと確信した。

 『芸術新潮』1995年8月号特集「カンヴァスが証す画家たちの『戦争』」を開いて、あらためて藤田嗣治戦争画の凄さを実感。

 安藤信哉にも戦争画がある。文部省戦時特別展覧会出品の『学徒』。モンペ姿、うつむき加減の三つ編みの女生徒を横から描いたもの。手元にあるのは白黒写真のみだが、品のある絵画だ。

 ネットの見聞。

《 あなたの欲望は「アートを創りたい」なの?

  それとも「アーティストと呼ばれたい」なの?  》

 遅くなったけど中日新聞のK美術館閉館の記事。