企画展最終日/女囮捜査官5 味覚

 昨夜私もNHKの番組を見てドキッ。

《 さっきのNスペでやってた、2号機のSR弁が開かなかったのは圧力上昇時の格納容器の構造的欠陥という指摘は、ひょっとしてNHKのスクープなのか? これ本当だとしたら他の同型の原発も共有している根本的欠陥ということになるが。 》 森岡正博

 山田正紀『女囮捜査官5 味覚』幻冬舎文庫1999年初版を読んだ。シリーズ最終巻。

《 新宿駅西口地下通路で女性の切断死体が発見された。第二の殺人を示唆する匿名電話を受けて捜査陣は新宿駅西口に張り込む。囮捜査官の北見志穂も捜査に加わるが、眼前で同僚を殺されたうえ、容疑者とおぼしき女性も、死体となって発見される。 》 裏表紙から。

《 このときをさかいにして特被部は音をたてて壊滅の淵になだれ込んでいくことになる。特被部の部員たちは全員が絶望的な死闘のなかに追い込まれていくことになるのだが、このときにはまだ誰ひとりそのことに気がついてはいなかった。 》65頁

 立て続けに起きる密室殺人事件。そして不可解な捜査本部解散。

 壮大な構図のなかの仰天の真相そして壮絶な結末。一筋の光。

《 ──わたしは日本でたったひとりの女囮捜査官なのだ。 》394頁

《 死んでいった仲間たちの声を背中に聞きながら、志穂は闇のなかをひたすら走りつづけていった…… 》394頁

《 完結編である。大団円である。おそらくこんな展開が結末が待っていようとは、誰も想像していなかっただろう。 》 麻耶雄高「解説」より

 はい、まったく。

《 センスは発想力に劣らず重要だ。私は本格作品を本格たらしめているのはなによりその本格的センスじゃないかと薄々思っている(ただ「センス」と口にした時点で何も云ってないことと同じになるので薄々としか思わないが)。 》 麻耶雄高「解説」より

 最終的にはセンスへ行き着くか。今まで読んだ彼の本はどれも文章のセンスがよかった。絵画でも彫刻でも、最後にはセンスに関わってくる。センス、品、品格。

 読者の偏愛する山田正紀作品ベスト10。ばらけて面白い。

《 11:!!!(10で収まる訳ないじゃんという心の叫び)  》

 徳間文庫の『地球・精神分析記録』の表紙は、深沢幸雄氏の銅版画『この遙かな遠い道』1979年。その深沢幸雄氏からきょう、巻紙のお手紙が届く。閉館のお知らせへのお返事。

《 残念におもいますが、越沼的情熱でよくがんばったと謝意と敬意を送らせて下さい。 》

《 ぼくの例の技法書 中国の要請で年内に中国版が出版されます 》

 深沢幸雄、八十八歳。胸が熱くなる。

 ネットの拾いもの。

《 「東京で開催してください」「招致しました」  家政婦のミタ・オリンピック編 》