安藤信哉展初日

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で四冊。有栖川有栖『妃は船を沈める』光文社2008年2刷帯付、フィリップ・アリエス『死を前にした人間』みすず書房1990年初版帯付、ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷 新訳版』ハヤカワ文庫2011年初版、ドナルド・E・ウェストレイク『泥棒が1ダース』ハヤカワ文庫2009年初版、計420円。『死を前にした人間』のような高価な本(当時6000円)が105円だから、ブックオフ巡りは止められない。この浩瀚な本は来年以降、時間がたっぷりあるときに読むつもり。つもり。

 昨夕のNHKテレビ7時のニュース、原発再稼動反対報道をけっこう長く放送していた。

 きょうは新聞記事を見て来館される人ばかり。

 油彩画は物質性を見事に再現できる点に最大の特徴がある。その驚異的な描写力に明治の人は仰天した。その頃、西欧では印象派が産声をあげた。絵画の解放だ。マルセル・デュシャンは1912年にレディメードの着想を得たという。美術の大開放だ。2012年、安藤信哉の水彩画を前にして、さまざまな感想が浮かぶ。

《 絵画的イリュージョンとは別種のイリュージョニズムに根ざしていること 》

 という文面に出合うと、安藤信哉の70歳を過ぎてからの水彩画へ連想が及ぶ。

《 西洋アカデミズムの習得から出発した安藤信哉氏は、絵画世界に西欧的「自由」の構造 から日本的「自在」の構造へ至る一本の強固な橋を構築したのでした。 》 「安藤信哉・自在への架橋」より

《 晩成したその絵画では、対象は対象としてそこに確固として在りながら、そのかたちと色調は解釈に固定される手前の、瑞々しい感興のままに見事に引き出され、自在に再構成されています。 》

 ネットの見聞。

《 そもそもタッチパッド式のデバイスって、それ自体は別にアップルが発明したわけじゃない。 iPod touch よりもカラオケ端末や保険のおばちゃんの端末の方が古いし。アップルが成功したのはそういう技術の部分じゃなくて、ユーザー経験とビジネスモデルを結びつけたところ。 》 阿川大樹

《 iPod touch は2007年だけど、1990年代にはタッチパネル型の携帯端末は業務用に使われていた。その後、ポケットに入るタッチ型の汎用携帯端末として Palm が出たのも90年代。この時点で iPhone のようにサードパーティのアプリを入れることができるものだった。 》 阿川大樹

 ネットの拾いもの。

《 国から予算をもらうと「御用学者」と言われ、民間から予算をもらうと「癒着」と言われ、自腹を切って研究すると「金持ちの道楽」と言われ、金も設備もないけど何とか死ぬ思いで成果を絞り出したら「ほら予算なんて要らないんだ。他の研究費も削れる削れる」と言われる悲しさよ (自由律俳句) 》

《 誕生日が8月最終週の人は、「誕生日なのよ」「お誕生会をするの」とか言っても、周囲は「それどころじゃない」という反応なことが多い。 》

《 女の子「なに読んでるんですか?」私「ブラウン神父の童心」女の子「え……。なんか……。卑猥、ですね」私「……」  》