10月 9日(火) 時代が変わった

 きょうから長袖のシャツ。

 昨日の毎日新聞朝刊にはいくつか読ませる論評。

 浜矩子「危機の真相 IMF平家物語」から。

《 国際通貨基金IMF)・世界銀行年次総会の東京開催が近い。日本での開催は1964年以来、48年ぶりである。この間に、随分と世の中は変わった。 》

《 国境なき時代に、国際収支の管理人は果たして必要か。そもそも、「国際」という言葉自体が使われなくなっている。 》

《 通貨の世界は諸行無常だ。まさしく盛者必衰。王様なく国境なき今、IMFはどこへ行く。それが、今回の総会で判明するや否や。 》

 中野剛志「経済への視点 中国成長神話の崩壊」から。

《 中国経済の減速が著しいが、これは単なる不況ではなく、かなり深刻な構造問題だと認識しなければならない。 》

《 中国の成長神話は終った。時代が変わったのだ。 》

《 そもそも、中国の成長モデルは持続不可能なものだった。 》

《 こうなった以上、日本は積極的な財政金融政策によって内需主導の経済構造に転換するしかない。中国と違って日本にはそれができるのだ。日本は少子高齢化するので外需を獲得するしかないと信じている人が未だに多いが、獲れる外需など、もはやどこにも存在しないのだ。しかも、中国も急速に少子高齢化に向かっているのである。 》

 デューコ・デルゴージュ「日本は市場の閉鎖性改善すべきだ」より。

《 相対的に言って、日本は今や貿易立国ではない。世界貿易機関WTO)と世界銀行は、日本の貿易額を対国内総生産量(GDP)比で最下位から5番目としている。 》

《 市場の閉鎖性は日本にとってのアキレスけんであり、その損失は増え続けている。双方向の貿易を可能にし、市場を開くことこそが、日本の持続的な成長を可能にするだろう。 》

 デューコ・デルゴージュの論には賛同できない。経済学者宇沢弘文の提唱する「社会的共通資本」(生活道路、教育、基礎交通施設など)を崩壊させることになるからだ。身近な例では水道ビジネス。フィリピンでは水道事業を外国資本に任せたせいで、貧困層が料金値上げに困っている。

 ネットの見聞。

《 『館長 庵野秀明 特撮博物館』150分待ちの列に並んだ!この長い行列は折り返す。見えない部分も含めるとこの4〜5倍は続くでしょう。 》

《 都現美特撮博物館、展示は歴史的な現物あり貴重な資料あり新作の短編映画あり精密なセットでの記念撮影あり盛り沢山のショップといい、近年稀に見る充実の展覧会だった。まわりの評判も抜群にいい。3331での大友克洋展もそうだったが、何が日本の「美術」なのか、関係者は真剣に考えた方がいい。 》 椹木 野衣

 ネットの拾いもの。

《 「電話は指で押すものだ。指を滑らすものじゃない」 》