「人妻」の研究

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で講談社文庫の歌野晶午を二冊。『安達ケ原の鬼密室』2003年初版、『正月十一日、鏡殺し』2011年初版、計210円。

 堀江珠喜『「人妻」の研究』ちくま新書2005年2刷を読んだ。面白かった。なんたって「人妻」だから。人妻=浮気〜よろめき〜不倫と刷り込まれ……、いかん、いかん。明治維新以降の「人妻」アフェアーを追っている。

《 それにしても、現代において、「人妻」という言葉は、なんといやらしい響きをもっていることだろう。 》 「人妻」は魅惑的?──序にかえて

《 ここで筆者は「人妻」という言葉を用いたが、実は万葉の時代を過ぎると明治になるまで、なぜか一般にはこの言い方はほとんど使われなくなる。平安時代でも、稀なのだ。 》 「人妻」は魅惑的?──序にかえて

《 彼女は当時三〇歳。名門の出身で美しくダンスも巧かったので、鹿鳴館においてもひときわ目立っていたに違いない。四六歳の伊藤博文は、男としてはまだまだ元気だ。(略)岩倉家の美しい姫で熟女の人妻とくれば、好色な伊藤が触手を伸ばさぬわけがあるまい。 》 第1章 鹿鳴館は浮気天国?

《 時勢を見て立場を変え、ちいさなことにはこだわらず、欲しいものを手に入れるのが維新「勝ち組」のやり方だ。 》 第1章 鹿鳴館は浮気天国?

《 今世紀には、なんだか「エリート」という言葉も使い古された感じがするので、「性の匠(たくみ)」とでも言い換えようか。 》 第5章 人妻は「都合のいい女」?

 《 だが、おしゃべりは通常、女性にとって最上のストレス解消法である。この相手を巧くできる男性に惹かれるのは、当然だ。 》 第6章 「不倫」の時代

《 こうして既婚女性の不倫が増えると、現実の「人妻」に男性は魅力を感じなくなってゆくかもしれない。 》 結婚しない時代(?)の人妻──あとがきに代えて

 ネットの拾いもの。

《 お父さんをぼくにください 》

《 ♪ 俺の 俺の 俺の鼻血を拭け〜 ♪ 》