準備完了

 橋本治内田樹橋本治内田樹ちくま文庫2011年初版の、内田樹の発言から。

《 西本願寺の書院を見て一番感じたのは、作ってる人たちに自信があるっていうことなんですよね。自分のやっていることに対する自信がある。自分の遊びが個人的なレベルにとどまらなくて、ある種の普遍的なレベルに達することに対する自信がある。 》91 頁

《 だから、書きましたよ。「タバコは人類学的にすごく意味のあることなんだから、健康上の理由なんていうつまらないことで禁止しちゃいけない」って。 》170-171頁

《 そうそう(笑)。改悛したキリスト教徒みたいに。今度は自分が宣教する側に回ってね。「君もやめなさい」なんて説教される。 》172頁

《 人間は、世の中の汚れ具合と同じくらい汚れている方がいいですよ。 》172頁

《 欲望だけはあるんですね。純粋な。自己主張したいと。何をしたいの? というと、自己主張したいという欲望だけがあって、主張されるべき自己がないんだ。 》236頁

《 組織って、とりあえずは人間が動いてさえいれば、そこそこの健全さは保てるんですよ。優秀な人が長いあいだ一つの地位にいすわるよりは、有象無象が出たり入ったりしているほうがだいたいうまくゆくんです。だから特に大きな失態をしていなくても、ある期間が経ったら、良いも悪いもなく、すぱっと退く。そうやって組織の流動性を確保しておくことがすごく大事なんだけどな。 》265頁

《 ほんとうにそうですね。批判なんか、あまりしても意味がないんですよね。批判するくらいなら、批判されているものよりもいいものをこっちで作っていれば、自然に不要品は捨てられちゃうんだし。 》316頁

《 十九世紀の蒸気機関のときの機械のすごい巨大なものの動きの美しさみたいなものがあるじゃないですか。歯車が回り、ピストンが動いてみたいな。明治の文章ってそんな感じがするんですね。 》330頁

 白砂勝敏氏の新作に「スチームパンクの懐かしき未来を表象しているよう」と昨日記したが、作品はガラス瓶が主体だから手に乗る小さなものだけれども、豊かな物語世界を連想させる。来月グラフィック社から出る図鑑に作品が掲載される。木彫作品やそんな作品群がうまく展示されて準備完了。

 ネットの見聞。

《 週刊文春「今週のBEST10」は「おいしい特定保健用食品」、1位はファイブミニ。世界でもっともうまい飲み物のひとつ。 》 退屈男

《 「失われた20年」とか言いますが、コミケの拡大も、PCやインターネットや携帯の普及も、安価で品質の高い衣服の普及、フランチャイズの居酒屋やイタリアンやラーメン屋等の新しい外食産業の普及も、大体この20年で起きたことですけどねぇ。皆さんこの20年間でそんなに不幸になりましたか?  》 Yuzuru Nakagawa