反絵、触れる、けだもののフラボン

 近所の本屋で文藝春秋・編『東西ミステリー ベスト100』文藝春秋2012年を買う。800円也。向かいのブックオフ長泉店で『オール讀物』11月号を立ち読み。アンケート特集「もっとも美しい小説」を読む。レイ・ブラッドベリ『「万華鏡』から『平家物語』、三島由紀夫『春の雪』まで百花繚乱のなか、山本兼一が選んだ川端康成『片腕』に同意。

 毎日新聞昨夕刊、「松尾貴史のちょっと違和感」から。

《 「自民コリゴリ、民主ガッカリ、第三極わけわからん」 》

《 「たちあがれ日本」から立候補の予定だった候補者が、さまざまな印刷物を用意していたら、党名が「太陽の党」に変わると通達され、刷り直していたら「日本維新の会」と合併すると発表され、右往左往しているのが気の毒であり滑稽だった。そのプロセスの中ではしごを外されて恥をかかされた減税日本河村たかし代表も、どえりゃあ気の毒に見えてしまう。 》

 福山千知佐子『反絵、触れる、けだもののフラボン』水声社2012年初版を読んだ。副題は「見ることと絵画を巡る断片」。フラボンとは。ネットから引用。

《 フラボンは遊離または配糖体の形でとくに高等植物に広く分布し、黄色ないし橙色を与えるが、普通は、淡黄色のために花や葉ではカロテノイド(カロチノイド)やクロロフィルの鮮明な色調にかくれて直接その色を認められないことが多い。 》

《 全身の凍えと痛みと同時に、私はやっと野原と廃墟を存分にじかに味わう自由を少しずつ知る。 》25頁

《 極めて個的な感覚によって日常を逸脱しない限り、「外側」にあるものの一端を「触覚的に把握」することはできない。 》67頁

《 夕方ハンブルクに戻り、戦火に焼けた聖ミヒャエル教会を撮る。黒い残骸の塔の前の空間に擦過傷を刻むように、一斉に鳩が飛び立つ。 》128頁

 擦過傷のような文章からなる本だ。

《 歓喜の、不安の、一瞬の、消失の、張りつめた、……決してそこを擦過したのではなく、そこにいたものとその二度とない情景の空気を生きた。 》「あとがきにかえて」

 ネットの拾いもの。

《 クリスマスは去年やっただろう! 》

《 『人生の特等席』は予告を観て号泣したから本編は観なくていいかな。 》

《 「オメガの時計、高いなあ」「いやー、お目が高い」 》