11月26日(月) 休館日

 一日雨。昨日買った『東西ミステリー ベスト100』文藝春秋を読む。

《 『東西ミステリーベスト100』、前回(1985)の座談会が収録されていて、今回のものと比べるといろいろ興味深い。まず気がつくのは、2012年の座談会は作品や作家の魅力を語るより、状況分析的なコメントが中心になっていること。 》 藤原編集室

《 考えてみると、ミステリ評論でも、個々の作家や作品よりも状況を論じたものが多くなっているように思う。 》 藤原編集室

《 こうした傾向はミステリにかぎらず、この四半世紀のあいだにあらゆる分野で顕著になっている。状況分析は有益だし、面白くもあるが、あんまり「時代」や「状況」を読むことばかりに夢中になってもなあ、という気もする。(といいつつ、これもひとつの状況分析なのだが) 》 藤原編集室

《 『東西ミステリーベスト100』でちょっと驚いたのは、「パリのシャンゼリゼの新刊書店に行くと、本書のフランス語版が全巻平積みになっており・・」という小山正氏が国内某作品に付したコメント。その光景は見てみたい!  》 藤原編集室

 その某作品とは。

 「42位 岡本綺堂『半七捕物帳』1917年」

 中井英夫『虚無への供物』が今回も堂々の二位に輝いている。うれしい。昨日夕方東京から来館、久闊を叙した知人女性は、この講談社文庫版を私からもらっていると。そんなこともあったかあ。近く結婚すると言う。祝賀。