畑にはさらに広がる霜柱。ああ、踏んでみたい。寒いので素通り。
ブックオフ長泉店で文庫本を三冊。北村薫『玻璃(はり)の天』文春文庫2009年初版、佐藤泰志『きみの鳥はうたえる』河出文庫2011年初版、ピエール・ベルロカン『ロジックのパズル』教養文庫1991年初版、計315円。
2012年12月12日12時12分12秒……。あ、過ぎた。
小沢昭一『ドキュメント 綾さん』新潮文庫1983年初版を再読。副題は「小沢昭一が敬愛する接客のプロ」。
クラブホステス時代の接客。
《 小沢 でもそこへ行って指名にしてもらうわけでしょう?
佐藤 いえその時は『指名しなくてもよろしいです』って言うんですよ。そのかわり、そのお客さんが、何番テーブルに何日に来て、何の洋服着て、何のズボンはいて、靴は何色でネクタイは何──全部の特徴を書いておくんです。
小沢 うんうん。
佐藤 そいで、また上から見てると、まあ三日か四日たつと、そのお客さんが来るんですよ。
小沢 うん。
佐藤 またそこへ行くんです。
小沢 うん。
佐藤 自分はどうせよばれてないんですけど、そのお客さんの所へ行って、『この間はあの、紺の背広が良かったですけど、今日のシマの、茶系統も似合いますね』とか。『いやー、君! よく憶えて……。ぼくは悪かった。悪いことをした。ぼくは君の名前憶えていないんだ。君がそれだけ憶えていてくれて……』。(笑)『この前いらしった時は、向うの方の何番テーブルだったですね』っていうふうに言うんですよ。(笑)(引用者:略)
佐藤 私、ナンバーワンになったんです。
小沢 入って二カ月目で!
佐藤 ええ。 》 84-85頁
それからトルコ嬢に転身、そこでもナンバーワンになる。
《 だから私が八年間ナンバーワンであり続けてきたっていうのはライバルがあったからだと思うんです。 》 246頁
山口昌男の解説も読ませる。
《 小沢さんは、一人のトルコ「姉」にインタビューを行いながら、単に性的な欲求の捌け口の場にとどまらない、このような「トルコの世界」を生き生きとまた明るく描き出すことによってインタビューの傑作、民俗学者脱帽の民俗誌を生んだのである。 》
ネットの見聞。
《 医療技術が進んで、誰でも20代の容姿とスレンダーなボディを維持することができるようになり、60代でも20代と間違われるような時代が来たら何が起きるだろうか? (1)人の容姿というものに皆関心を持たなくなる、(2)人の「内面」の評価で差別が始まる、(3)自殺者が増える。答えは? 》 森岡正博
ネットのうなずき。
《 人生の大きな変化は、必ずしも清水の舞台から飛び下りるような思いきったことをしないと生れないわけではなく、ちょっとした小さなきっかけからでも起こる。というか、案外そっちの方が多い気がする。逆に考えれば、ダメ元で小さな一歩を踏み出すようなことは、やって損はないということだろう。 》 尾崎将也
《 「どうして最近は戦争とか、核兵器とかを正面から肯定する発言する人が多いのかな?まったく理解できない。」「それこそ、わかりやすい『平和ボケ』ってやつじゃないかと。」 》