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 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。五木寛之『風の幻郷へ』東京書籍1994年初版、高木彬光『白昼の死角』光文社文庫、計210円。前者の年譜によると、発行された1994年は五木62歳。私の歳だ。不思議な暗合を感じる。「林達夫──猛烈なる精神」から。

《 頭のなかにくっきりと残っていたのは、林さんの遺影の前に立って長い間じっとその写真を見上げておられた久野収さんのうしろ姿だった。 》

 林達夫久野収の対談集『増補 思想のドラマトゥルギー平凡社を少しずつ読んでいる。インテリゲンチャとは、このような人を言う、と感嘆するばかりの深い対談だ。

 自民党政権でも、経済の低迷を浮上させることはできないだろう。なぜなら、発想の転換が見られないから。昨夜の浜矩子女史の発言、産業の「成長戦略から成熟戦略へ」の転換に深くうなずく。

 私の試案は、「環境〜観光」。地面からの発想の転換だ。広く見れば近海も視野に入るだろう。環境の復興〜豊かな生態系〜農業の振興〜観光〜住みたい地域……という構想。新技術によって、二十世紀型の製造業とはまるで異なった産業を興すことになる。