ブラウンな夜

 昨夜は降りしきる雨の中、LPレコードでクリフォード・ブラウンの華麗なジャズ・トランペットを堪能。五十年以上も前の演奏かあ。

 北海道立旭川美術館から味戸ケイコさんと牧村慶子さんの絵が届いた、との連絡。ほっ。午前中は溜まりに溜まった書類の廃棄と保存で終る。美術品の梱包は年明けに持ち越し。

 長田弘『本を愛しなさい』みすず書房2007年初版を読んだ。十人の《 わが愛する本とその書き手たちの肖像画 》。

《 小伝という方法はとても魅力的で有効だった。言葉の表情や身振りのなかに、物事のディテールのなかに、本質はさりげなくあらわれるからだ。 》

 と「あとがき」記しているが、私にとても魅力的だった。この引用文に見られるように、漢字がすくない。平明で、かろやか。疲れた心身にとても有効だった。十人のだれもが、それぞれにいい人生を送っている。

 ネットの見聞。

《 師走という言葉は、お坊さんがお経をあげるために走り回るところからというのが一般的だけれど、トシハツル(歳果つる)が語源だという説もあるらしい。イメージ的には坊さんが走り回っているほうがいいから、それが定着したのかな。イメージを喚起する言葉が残る。 》 井上夢人

 ネットの拾いもの。

《 区役所に行って書類を提出したら、「え、大正生まれですか、お若いですね」と褒められた。面倒なのと、あまりに情けないのとで、とりあえず「ありがとうございます」と礼を言って、役所をあとにしたけど、あのう、それ、父の生年月日なんですけど、いくら何でも、おれ、まだ92歳にはなってない。  》 山田正紀

《 「わ、こんなところにお洒落そうな本屋の看板がっ!」と少し早足で近づいたら、『BROOKS BROTHERS』だった… 》 退屈男

《 狂気は長調にあり。食は広州にあり。敵は本能寺にあり。ブラウンはクリフォードにアリ。 》