浮世絵ミステリーゾーン

 高橋克彦『浮世絵ミステリーゾーン講談社文庫1992年4刷を読んだ。読みやすい。『写楽殺人事件』等のミステリーと同じ著者とは思えん。大枠の「暮らしに生きる浮世絵」「浮世絵情報戦争」「絵師・この不思議なるもの」といった表題にみられるように、読者の興味をえらくそそる内容だ。かつ、斬新な視点が用意されていて、入門者はもとより愛好家でも唸る指摘、考察が多い。

《 浮世絵はまさにマス・メディアの中心に位置していたのだ。 》57頁

《 浮世絵の身上はなんといっても穏やかな明るさにある。ゴッホやマネを初めとするフランス印象派の画家たちが、浮世絵に魅せられた最大の理由はそこにあった。 》91頁

《 遠近法を用いた風景画は見慣れた風景を一変させて、新鮮な感動を人々に与えたのである。水墨画とは別の、庶民の側に立った風景画の誕生である。 》143頁

《 北斎は自然そのものの厳しさと美しさを作品にした。広重はそこに人の暮らしを描き加えた。人があってこその風景であり、人の温かさが風景に新たな息を吹きこむのである。 》155頁

《 豊春の浮世絵にはじまり、北斎における「風景の発見」広重の「風景と人との結びつき」そして国芳の「近代リアリズム」清親の「ファンタジー」とつづいた風景画の流れは安治の登場によって一応の完結を見た。 》163頁

《 描写は絵空事でありながら、対象の本質に迫っている。これが浮世絵の面白さである。 》210頁

 ネットの拾いもの。人を不安にさせる四文字。

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