雨なのでバス。エンジンかからんなあ。いや、私の就業意欲が。注意30000。50メートルのエアパッキン(プチプチ)が終えたので明日また買いに行く。絵の梱包もいいかげん飽きてくるなあ。ふう、早々と店仕舞いだ。
北森鴻『なぜ絵版師に頼まなかったのか』光文社文庫2010年2刷を読んだ。明治十三年から二十二年を舞台に、東京帝国大学のお雇い外国人、医学部教授ベルツに仕える明治元年生まれの少年を狂言回しに五編を収録。千街晶之の解説から。
《 本書にはナウマン、フェロノサ、モース、スクリパ、ボアソナード、ビゴーといった明治期日本に滞在した外国人たちや、写真家の下岡蓮杖、作家の尾崎紅葉や巌谷小波ら実在の人物が、さまざまなかたちで物語に関わるという趣向が、歴史の裏側を覗き込むかのような興趣を催させる。 》
凝った題名(「なぜ絵版師に頼まなかったのか」「九枚目は多すぎる」「人形はなぜ生かされる」「紅葉夢」「執事たちの沈黙」)に凝った内容。明治がぐっと身近に感じられ、現在と引き比べ、とても興味深かった。早すぎる死が惜しまれる。
ネットのうなずき。
《 高校生とか大学生のころは刺激ある人生に価値があると思えたものだが、そんなことはないよ。なんのニュースもなく、いつものように、起きて顔を洗ってごはん食べて、ごくごくふつうの、ふつうの、どうということない1日。頭も痛くなくおなかもいたくなく。こんな日は、なによりもなによりも貴重で幸せなのだと、いまはよくわかる。 》 姫野カオルコ