毎日新聞朝刊、書評欄で故丸谷才一のエッセイ集『快楽としてのミステリー』ちくま文庫を若島正が紹介していた。
《 どれを読んでも楽しいことこの上なしだが、ここで一篇だけ紹介しておこう。『深夜の散歩』にも収録されていた、「終り方が大切」と題されたエッセイだ。早い話が、この一篇を読むために、わたしは『深夜の散歩』を何度も再読したほどである。 》
『決定版 深夜の散歩』講談社1981年5刷をさっそく開いた。六頁のエッセイ。アンブラーの短編『影の軍隊』を読み進めて。
《 エリック・アンブラーといふ小説の玄人が、体をなしてゐない終り方をしたのでは困るぢやないか。それが傑作集にはいつてはなほさら困るぢやないか。
さう思つて、わたしははらはらしながら最後の三行を読み──その三行の水際立った藝に舌を巻いたのである。 》
まず、詩人田村隆一のエピソードと詩が紹介されている。
《 言葉なんかおぼえるんじゃなかった
日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで
ぼくはあなたの涙のなかに立ちどまる 》
ネットの拾いもの。
『女子会川柳』ポプラ社から。
《 入社時は 腰かけ今は 命がけ
「至急でね!」 頼んだおまえが なぜ帰る
やっぱりね 残りものには 訳がある
合コンで 仲良くなるは 女子ばかり
逆らわず ただうなずいて 従わず
十年目 部長が席まで 来てくれる
きつくなる 目つき性格 腹まわり 》