雨の中、お昼前にドイツ文学者池内紀(おさむ)氏の源兵衛川の取材で案内を務める。池内紀氏と編集の女性そしてカメラマンの御三人をご案内。池内氏は源兵衛川は数回来ているとのこと、それでは、とちょっと寄り道をして、給水塔や井戸そして飲み屋街の昭和レトロな裏道、五叉路を案内。これは知らなかったと、えらく喜ばれる。
著書『海山のあいだ』中公文庫2011年初版、「海山のあいだ」から。
《 しかし、雨のおかげで、だれとも会わずにいられた。 》
と記す氏にとっては、雨でよかったかも。収録の「夢前川」というエッセイの冒頭。
《 夢前と書いて「ゆめさき」と訓(よ)む。夢前町を流れる夢前川。 》
池内氏はその川の流れる姫路市に生まれた。ひとつの短歌が浮かぶ。
夢前川知らずもとほる夢の岸うつつにつかぬ音聴けとこそ 照屋眞理子
池内氏の著作では『眼玉のひっこし』冥草舎1979年初版を出た当時に読んで感心した。上手いなあ、と感服するのは題のつけかた。NHKライブラリーで出た二冊の本で較べると。山口昌男『知の自由人』1998年に対して、池内紀は『自由人は楽しい』2005年。
旅〜温泉では河出書房新社の二冊で。池内紀『温泉旅日記』1988年に対して、同じドイツ文学者種村季弘(すえひろ)『晴浴雨浴日記』1989年。これはどっちかな。どちらにも熱海駅前温泉が取り上げられている。
「私立伝奇学園高等学校民俗学研究会」シリーズ第二作、田中啓文『邪馬台洞の研究』講談社ノベルス2003年初版を、凝った肩をほぐすために読み始める。第一作が昨日の『蓬莱洞の研究』。
ネットの拾いもの。
《 チョコは来なかった。だが男は諦めてはいなかった。男は〈好評につき受付期間延長〉の貼紙を出した。(田口トモロヲの声で) 》