本を選ぶ

 昨日は連合赤軍浅間山荘事件の始まった日だった。あのときの雪の降りしきる、ひりひりした緊張感。1972年冬、熱い時代の終わりを感じた。あれから四十年、きょうも寒い。

 昼前、体慣らしにブックオフ長泉店まで自転車で行く。川島令三『図解 新説 全国未完成鉄道路線講談社2007年初版、佐藤忠男長谷川伸論』岩波現代文庫2004年初版、計210円。前者の結び。

《 ようは、大正の終わりごろに計画した高速線の再来ということになるが、それが実現するのはあと五〇年先のことだろう。鉄道整備とは、それほど気の長いものなのである。 》

 何故ほぼ毎日ブックオフへ行くか。鹿島茂が書いている。

《 すなわち、ある程度の量をこなしていないと、質は確保できないということで、常にたくさんの本に接してカンを磨かいていないと、読まずに良書を見いだすことは不可能なのである。 》

《 この点において、インターネットが普及した今日でも、私は断固とした「店頭派」である。本というのはやはり、現物を手に取ってみないかぎりわからない。 》

 グスタフ・マイリンク『ゴーレム』河出書房新社1978年新装初版を読んでいる。1915年の作。本棚に三十数年眠っていた。

 ネットの見聞。

《 自身の使命を、普遍的な知(原理)の確立そのものに力点を置いて見るか、それが具現する人間の生き方(展開)のほうに見出すか。既存の世界の枠組みに対して「思想」だけでなく「人間」をもって変革を挑む意味で、教育はより困難な戦いのように思います。 》

 ネットの拾いもの。

《 将来『国立古本屋博物館』が建設されたなら、 》

《 自分の本棚の特等席に並べる本(富岡多恵子、生野頼子、金井美恵子松浦理英子野溝七生子)から感じられる、男の影響の無さつらい…… 》

 富岡多恵子『厭芸術反古草紙』思潮社1970年初版、生野頼子『二百回忌』新潮社1994年初版、金井美恵子『愛の生活』筑摩書房1968年初版、『野溝七生子作品集』立風書房1983年初版は新刊で、松浦理英子『葬儀の日』文藝春秋1980年初版は古本屋で買ったけど、まだ本棚に鎮座したまんま。