一汗冷や汗

 啓蟄。強い陽光。お掃除せよと、天がいう。はい掃除機、カビキラー、トイレマジックリン……。一汗かいた。冷や汗かいた。

 ブックオフ長泉店に毎日新聞社から1990年に出版された『昭和の美術』という、一冊一万円を越える豪華美術本五冊(最後の第六巻がない)が105円棚に並んでいた。昭和初年代から四十年代までの五冊をうんうん言いながら(嘘)順に鑑賞。最初の絵は鏑木清方「築地明石町」。これはいいね。日本画、洋画・版画、彫刻そして工芸の順。写真、デザインはない。殆どが既知の作品。これが四半世紀ほど前の美術の常識。昭和は遠くなりにけり。今もって鮮やかな作品は……数少ない。棚へ返した。

 ブックオフ沼津南店へ。矢作俊彦『悲劇週間』文藝春秋2005年初版帯付、柳広司聖フランシスコ・ザビエルの首』講談社ノベルス2004年初版、計210円。

 昨日買った安野光雅『文学の絵本』筑摩書房で「川端康成集」を見ると「山の音」が収録されている。いつか読もうと思っていた。今がその時だ。『現代日本文学全集 37 川端康成集』筑摩書房1955年初版で前半を読んだ。

《 信吾の妻の保子は一つ年上の六十三である。 》

 主要人物の信吾が私と同い年。やはり読み時だ。読み進めると、やや。

《 今年から満で数へることに改まつたので、信吾は六十一になり、保子は六十二になつた。 》

 一昨日の毎日新聞、「オピニオン」で、福島大学特任研究員開沼博とジャーナリスト武田徹の発言が記憶に残る。

《 開沼さんは「予言を的中させてきた。一昨年の統一地方選も昨年の衆院選も、事前に「原発推進派が勝つ」と言っていました。それはまさに日本社会が「変わらない」ものであることを示している。ならば次は、なぜ変わらないのかに正面から向き合ってゆく必要がある。 》 武田徹

《 日本社会が戦後を通して模索し、探し当てた「皆がほどほどに満足する均衡点」がある。一度不満が増大し、振り子がぶれても必ずここに戻る。今回の脱原発のぶれも同じでしょう。そこをずらす方法を私たちは持ち得ていない。原発問題に限らず、考えていく必要があります。 》 開沼博

 「変わらない日本社会」を変える転回点はどこかに見出せるのだろうか。ふとグラウンドワーク三島の20年の活動を思う。

 ネットの見聞。

《 とかく軍備増強をいう人は、じぶんは兵隊ではなく、安全な場所にいて指揮できる側に立てる、と過信しているフシがあります。 》 花森安治

《 原発の使用済み核燃料は、どうするのか。安倍自民党は、その答えもなしに再稼動に突き進む。なぜなら、米国と財界の要請があるからだ。いかにも自民党らしい政治である。 》 兵頭正俊

 ネットの拾いもの。

《 これは見事な退き際!鮮やかに決まりました!  驚異の進退能力 ! 》