山の音

 川端康成『山の音』を読んだ。鎌倉の山裾に住む老夫婦と息子夫婦。そして女児二人を連れて出戻ってきた娘を加えた生活。主要人物の信吾は結婚前にあこがれていた、妻の亡くなった姉を今もって密かに慕い、息子は愛人を囲い、中絶や妊娠、離婚とご難続きの、1950〈昭和25年)年をはさんだ数年の話。今の感覚でいうと、信吾は70歳くらいの印象だが、その信吾の息子の嫁への恋情というのか、それがこまごまと描かれている。それ以上の感想を綴るほどの感興はない。何がすごくいいのか、私には不明。自身の価値規準がずれているのか、多分。「片腕」「眠れる美女」などは高く評価するけど。

 後味がスッキリせんので、ブックオフ函南店まで自転車でひとっ走り。風はけっこう強いけど寒くない。今井金吾『「半七捕物帳」江戸めぐり』ちくま文庫1999年初版、北村薫宮部みゆき編『もっと、「半七!」』ちくま文庫2009年初版、計210円。汗ばんで少しスッキリ。

 すっかりスッキリしないので、カレーを作ることにした。近所のスーパーで牛肉を購入。牛肉玉葱を強火でガンガン炒める。晩御飯を食べながらじっくり煮込む。午後八時前、きょうのところは終了。

 ネットのうなずき。

《 専門家が大切にするものは、お金や名誉、それに上司の命令などを超えて、その専門における誠実さです。 》 武田邦彦

 ネットの見聞。

《 3.11以後の世界には、もはや希望しか残されていない。 》 兵頭正俊

 ネットの拾いもの。

《 ハッ、もしかして聖書の著作権切れてんじゃ? 》