銀河鉄道の夜

 NHKテレビお昼の番組でクレソンの特集。素揚げなんて知らなかった。我が家から目と鼻の先の川べりにクレソンがひとかたまり。先だっては友だちに頼まれて数株引き抜いた。上流にはセリがひとかたまり。これは茹でて賞味。春だねえ。

 昨日買った宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜新潮文庫、新編と謳われた表題作を読んだ。以前読んだのは遠い昔の昭和の時代。その本は手元にないが、今回読んだ新編とはえらく違っていた記憶。新編のほうがぐっと印象深い。同時代の稲垣足穂作品との親近を感じさせる描写だ。下記の描写は谷内六郎の絵を連想させる。

《 ほんとうにジョバンニは、夜の軽便鉄道の、小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、窓から外を見ながら座っていたのです。 》

 軽便鉄道、大好き。保育社のカラーブックスには松本典久『軽便鉄道』1982年と吉川文夫『楽しい軽便鉄道』1992年があり、人気が知れる。写真を見るだけで幸せな気分になる。ああ、そのほとんどは失われた風景。切なくなる。宮沢賢治は没後八十年になるのに、今もこうして読むことができる。何が遺り、何が消えてゆくのか。滅びしものは美しきかな。

 軽便鉄道が滅んでも、豆汽車は走る。三島駅前の楽寿園には一周一分もかからないような豆汽車が走っている。子ども用だけれど、大人も乗車可能。私は何度も乗っている。無心に愉しい。伊豆市の虹の郷には豆汽車というよりミニ列車が走っている。私は、ちゃちな豆汽車のほうになぜか惹かれる。

 豆といえば、豆本でも好みがある。先だって友だちがへえ〜、と興味を示したのは、森永製菓がハイクラウンチョコ関連で1978年頃に出版した豆本『フラワーフェアリー』シリーズ七冊の一冊。ケイト・グリーナウェイのカラー図版が使われている。10.3×7.5cmほどの堅表紙。ネットでちょっと検索したけど、おまけのカードばかりで豆本は出てこなかった。送料込み一冊1000円で頒布、ではなあ、と今は思う。

 銀河といえば、東工大の入試問題という英文和訳問題。

《 以下の英文を和訳しなさい。 》

《 (ii) In the name of the Moon, I will punishu you! 》

 月にかわってお仕置きよ!  セーラームーン……。テレビアニメのエンディングに流れた「ムーンライト伝説」。好きだなあ。胸キュン。

 ネットの見聞。

 首都大学東京そして…… 東京都市大学

 東京大学が可愛く見えてきた。