昨日の『恋』からの連想で、寺山修司『恋愛辞典』新風舎文庫2006年初版を取り出す。大好きな詩「ダイヤモンド」以下、愛唱する語句詩句一節がいっぱい載っている。
《 さよならだけが
人生ならば
またくる春はなんだろう 》
《 二人のための英語のお稽古
愛リス 〔名〕花の名前。
恋ル 〔名〕線。〔動〕ぐるぐる巻く。
愛スクリーム〔名〕氷菓子。
恋ン 〔名〕硬貨。貨幣。金(かね)。
愛アン 〔名〕鉄。鉄器。(pl)手かせ足かせ。
愛ンシュタイン〔名〕人の名前。相対性原理を説いた。
恋ンサンド 〔名〕一致。合致。
愛シャドウ 〔名〕目の翳(かげ)美容用語。
恋タス 〔名〕辞書をひいてごらん? 》
《 キスキスと書いたのは、さかさに読んでごらんというわけではない。
くちづけの意味を二度くり返したのである。 》
寺山修司はロアルド・ダールの短編集『キス・キス』早川書房1960年を当然知っていたのだろう。
何より嬉しいのは、この文庫版の本はハードカバー。カバー(ジャケット)は白と薄紫の二色というあっさりしたデザイン。見返し、花布(はなぎれ)と栞紐は嫌みの無い紫。乙女チックだ。
昨日の毎日新聞に高階秀爾『ニッポン現代アート』講談社の広告。
《 現代アートは今、混沌のなかにある。古今東西の美術を知悉する名手が、最先端を疾走する多彩な才能たちがほとばしらせる表現の核心へと誘う。 》
「最先端を失踪する」と読んでしまった。彼の前の本『日本の現代アートをみる』と同様、紹介作家は予想の範囲内。今世紀、美術界では混在混沌混迷低迷を経て、その周縁から未知の作品がさりげなく出現、規準が変わり、数多くの現代アートなるものが色褪せ、時代遅れとなるだろう、2013年。
五月五日、三島文化会館で「牧伸二と百人の芸人たち」開催予定。どうなるんだろ。
ネットの拾いもの。青春時代。
《 ♪失業までの半年で答を出せというけれど〜♪ 》