夏のような陽気。雪は富士山に残るのみ。そういえば、一昨日取り上げた養老孟司・吉田直哉『対談 目から脳に抜ける話』で吉田直哉が美大の入試を語っていた。三好達治の名詩を出題。
《 それから、「太郎を眠らせ 太郎の屋根に雪降り積む 次郎を眠らせ 次郎の屋根に雪降り積む」を、やはり六コマの絵コンテに、という問題を最初の感覚テストで出した。 》
《 千八百人受けたんですけど、何とその中の百人ぐらいが、「眠らせ」は「殺す」なんですね(笑)。カインとアベルみたいに、雪の上でまず次郎を刺す。次郎倒れる、血まみれで。太郎も血を流しながら二、三メートル歩いて倒れる。その両方の上に十字架が立って雪が積もってる。最初に一つ見た時は、びっくりしてこいつはビョーキじゃないかと思った(笑)。 》
ブックオフ長泉店で三冊。中村彰彦『二つの山河』文藝春秋1994年初版帯付、ミック・ジャクソン『穴掘り男爵』新潮社1998年初版、伊藤計劃『虐殺器官』ハヤカワ文庫2010年11刷、計315円。
仁木悦子『私の大好きな探偵 仁木兄弟の事件簿』ポプラ社文庫2011年4刷を読んだ。出世作『猫は知っていた』の仁木兄弟が活躍。好短篇五篇。きょうの陽気にはちょうど良い。巻末に「昭和三十年代・四十年代を読み解くキーワード」。これが意外と役に立つ。
《 フォックス型 眼鏡の玉型(レンズの形)
トッパーコート 女性用のゆったりした短めのコート 》
などなど、知らなかった。
ネットの見聞。
《 社会思想社終了まで増刷を重ね、確認できただけでも22刷でした。 》
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』教養文庫のこと。手元には新刊で買った1977年4月25日初版第1刷とブックオフで買った1997年9月30日初版第21刷。その本が何刷まで刷られたかは、確認がじつに難しい。ベストセラー本は特に。そんなことを調査している本マニアがいる。純文学の初版絶版は楽だなあ。
《 職場の女性たちの笑い声が、「楽しいらしいのに、激しい鋭さも持っていて、笑い声の中に籠城しながら外部を攻撃するような様子が感じられる」 》 小山田浩子『工場』の津村記久子の評。
コワ〜イ。
《 もんじゅが廃止となったら、兆単位の国家予算の無駄。でも驚くべきことに誰にも責任はないらしい。 》
ネットの拾いもの。
《 一生を棒に振った指揮者のお話。タイトルは「ぶらぼう」 》