ひでこ節・津軽民謡流れうた

 昨日伊藤多喜雄を聴いて、同じように鋼の歌声、藤井ケン子のLPレコード『ひでこ節』ビクター1979年を聴いた。懐深く鋼のような艶やかな声がコブシをすっと振ると、空気がぐっと密度を増すようにぞくぞくっとする。久しぶりに聴くとすんごい、平伏〜。八幡平連峰の大気を揺るがせ、田沢湖のたっぷり深い湖水を揺さぶる。

 レコードジャケットの解説から。

《 ケン子は秋田県大曲市で生まれたが、幼くして失明してしまった。 》

《 客の吐く息を吸って生きる芸人のきびしさがそこにある。 》

 つづいてその前年に出た藤井ケン子のLPレコード『津軽民謡流れうた』ビクター1978年を聴く。『ひでこ節』が秋田民謡七曲、岩手二曲、山形二曲、青森一曲、宮城一曲そして福島一曲の計十四曲にたいして、『津軽民謡流れうた』は題名通り十三曲全部が青森民謡。甲乙つけがたく素晴らしい。レコードジャケットの解説から。

《 息づきの鋭い迫力にみちた律動感。それにつづいて朗々と流れるように転回する妙節の美しさ、それこそ盲目の世界と、晴眼の世界との区別を知らない、真実の芸術民謡として堂々と唄っている。 》 中塩幸祐

 ネットの見聞。

《 現時点では最大の「護憲」勢力は国外ではホワイトハウス、国内では天皇陛下です。 》 内田樹

《 ちくま日本文学全集は、ほんと、読みやすいなあ。老眼鏡にかけなおさなくても読める。この50巻だけ、ロケットに持ち込んで、火星で読んで一生を終えたい。 》 岡崎武志

 この文庫サイズの全集、最初は全50巻「ちいさな本格派」、好評だったのか、10巻追加して60巻「ゆたかなひろがり」。追加の十人は、岡本綺堂折口信夫渡辺一夫中野好夫宮本常一幸田文花田清輝織田作之助、冨士正晴、深沢七郎
 『ちくま日本文学』という文庫仕様になって全30巻。追加から生き残ったのは、折口信夫幸田文宮本常一。不動の27人は。内田百ケン、芥川龍之介宮沢賢治尾崎翠寺山修司江戸川乱歩太宰治坂口安吾三島由紀夫泉鏡花中島敦樋口一葉谷崎潤一郎柳田國男稲垣足穂森鴎外澁澤龍彦永井荷風林芙美子志賀直哉幸田露伴開高健川端康成菊池寛夏目漱石色川武大。独特な人選だ。

《 レジでは女の子が、素早く値段ラベルにジッポーオイルを掛け、迅速に剥がすサービス。 》 古本屋ツアー・イン・ジャパン

 値札をは剥がしてくれる店があるとは。

 ネットの拾いもの。

《 ベテラン記者「社会部で切った張ったしてきたんだよ、俺は」新人記者「カット&ペーストしてたんですか?」 》