浅利みき・津軽じょんがら節

 LPレコード『民謡浅利みき傑作集』テイチク刊行年不明を久しぶりに聴いた。古い唄のようだ。モノラルと擬似ステレオとステレオが混在。解説から。

《 こうした浅利みきが誕生した蔭には、ゆずらず、これでもこれでもかと力で押しまくる伴奏の木田林松栄が居たことを忘れるわけにはいかない。 》

《 それまでの浅利みきの声は鋭さはあったが澄んだきれいな声の色をしていた。その声を木田林松栄の三味線に互角に勝負するため棄てて、今日の声を作ったと私はそんな風に思っている。ともあれ戦後の民謡界で活躍する数少ない本物のプロの芸人の一人である。 》

 なんとも艶のある凛とした歌だ。ビシバシと弾く木田 林松栄との迫力ある掛け合い。「 叩き三味線」とはよくいったものだ。

 レコード棚からLPレコード『津軽じょんがら節大競演』キング1974年を取り出す。高橋竹山、白川軍八郎、沢田勝秋、三橋美智也、木田 林松栄そして高橋裕次郎の六演奏家津軽じょんがら節を二回ずつ演奏している。豪勢な組み合わせ、えらく際立つ個性の違い、聴き応え十分。グルーヴな華のある高橋武山、豪放と繊細の合わせ技の白川軍八郎、ぐいぐいと畳み掛けるような沢田勝秋、やや影の薄い三橋美智也、豪快に急転回する木田 林松栄、一気呵成の情熱の高橋裕次郎。いやあ昂奮します。どなたも凄い撥(ばち)さばき。

《  血の色の爪に浮くまで押さえたる我が三味線の意地強き音   岡本かの子  》

 ブックオフ長泉店で二冊。保坂正康『昭和天皇(上・下)』中公文庫2008年初版、計210円。昭和四十五年八月十五日の新聞見出し「戦後二十五年」が今も記憶に鮮やか。そして今、平成二十五年。

 ネットの拾いもの。

《 千葉には八日市場がありますが、子供の頃は妖怪千葉だと思ってました…。 》

《 長い間、ユーミンの「ルージュの伝言」の冒頭は、「あのひっとの♪ ママになるために♪」だと思ってた。業が深い怖い歌だと思ってた。ちがった。 》