漢字だらけ俳句

 昨日、鷲巣繁男『戯論』の演目を引用したけれど、来月出るキルヒャー『普遍音樂──調和と不調和の大いなる術』工作舎も興味深い内容。その一部。

《  十七のパルムラを持つ楽器をどのように調絃すべきか

   あらゆる情動を動かす作曲をどのように行うのか

   タランチュラと音楽の不可思議な治療

   野原での叫び声やラッパの響きによってエリコの壁が崩潰したのは如何にしてか

   ハーメルンの子どもたち―冒険のような連れ去りは笛によって起きたのか

   ピュータゴラースの鍛冶屋の自動音楽を比率に従って表現するにはどうしたらよいか

   愛の病を音楽でどのように癒すか

   天使はどのようにして天上の音楽を指揮するのか  》

 俳句逍遥、漢字だらけ俳句。

《   五柳先生六花七言絶句之天   加藤郁乎

    山又山山桜又山桜       阿波野青畝

    雪青菜月光魚影秘花無明    高屋窓秋

    春隣蕎麦屋閉店挨拶状     八木忠栄

    磯波
    岬
    気球・海猫
    紺飛白(こんがすり)       高柳重信

    峯風
    絶景
    十六夜
    秘曲・百済琴           高柳重信     》

 塚本邦雄の短歌、再掲。

《   錐・蠍・旱・雁・掏摸・檻・囮・森・橇・二人・百合・塵   》

 語尾がすべて「り」。

 本屋でピーター・ディキンスン『生ける屍』ちくま文庫2013年初版帯付を購入。1050円。『キングとジョーカー』扶桑社ミステリー2006年初版は、ブックオフで105円で入手したけど、これは新刊で買わないと。

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