続々復活

 今年のミステリ界は、垂涎の探偵小説推理小説が続々復活。

《 『大阪圭吉作品集成』は、すでに売り切れております。  》

《 蘭郁二郎『奇巌城』は、残り数部。ダンセイニ『ドワーフのホロボロスとホグバイターの剣』は、まだ残部御座います。  》

《 日下三蔵氏編の「ミステリ珍本全集」(戎光祥出版)、いよいよ6月末から刊行開始だそうです。記念すべき1冊目は、山田風太郎忍法相伝73』。忍法帖で唯一復刊されてない「現代版」忍法小説です。予約が始まったらまたお知らせします。引き続きアレとかナニが出るそうですよ皆様! 》

《 ミステリ珍本全集の第二巻以降を予測する。「十二人の抹殺者」「戦艦金剛」「風花島殺人事件」「知っているのは死体だけ」「その鉄柵の中で」「黒い奇蹟」「死にぞこない」「樹の中の声」「まだ殺されたことのない君たち」(翻訳)第一期10巻  》

《 日下三蔵大人の厚意でミステリー珍本全集の月報エッセイを書かせてもらえることになり、今どえらい作品のゲラが手元にあるのだが、このタイトルって書いていいのかな。 》 芦辺拓

《 中町信の命日に『自動車教習所殺人事件』文庫化発売の案内が来た!『追憶の殺意』創元推理文庫。 》

 中町信のミステリは、題名ががらっと変わる。

 『自動車教習所殺人事件』→『追憶の殺意』創元推理文庫

 『散歩する死者』→『天啓の殺意』創元推理文庫

 『そして死が訪れる』→『模倣の殺意』→『新人賞作人事件』→『新人文学賞殺人事件』→『模倣の殺意』創元推理文庫

  創元推理文庫『模倣の殺意』2004年初版、濱中利信の「解説」。

《 それは単なる題名の変更ではなく、過去に加えられた加筆・修正を再度見直し、この作品の「決定版」を出したいという、中町氏と編集者の決意の表れに他あなりません。 》

  徳間文庫『新人文学賞殺人事件』1987年初版、巻末。

《 この作品は1973年6月双葉社より刊行された「新人賞殺人事件」を改題しました。 》

 創元推理文庫『模倣の殺意』の解説、再び。

《  さて、この大胆な叙述トリックは、七三年に発行された双葉社版『新人賞作人事件』及び 徳間文庫版『新人文学賞殺人事件』、そして本書と、版を変える度にその提示のされ方が変えられてきました。 》

《 加納一朗コレクション全3巻の刊行が決定しました。第1巻は長編集、第2巻はジュヴナイル短編集、第3巻はホック氏全集です。ご期待ください! 》

 加納一朗『ホック氏の異郷の冒険』天山文庫、「あとがき」。

《 この作品は思いがけなく第三七回の日本推理作家協会賞の長編部門の賞を受けた。その後”ホームズ百年”の行事が世界のシャーロキアンのあいだで行われ、たまたまホック氏の続編を書かないかと依頼があって、日本を去って中国へ向ったホック氏を書いた”ホック氏・紫禁城の対決””ホック氏・香港島の挑戦”の二作があるが、私の内部ではこの日本編がやはりなにかと想い出のある作品となっている。 》

 加納一朗『生殖センターの殺人』角川文庫1983年初版、柴野拓美の「解説」。

《 加納さんのジュニア向けユーモア系列の作品群(このほうはわたしも大部分読んでいるつもりだ)の中で、わたしがいちばん好きなのは、やはり『怪盗ラレロ』である。 》

  『怪盗ラレロ』ソノラマ文庫1975年初版は持っている。

 加納一朗『殺人珍道中シリーズ1 女王陛下の留置場』角川文庫1982年初版、大内茂男の「解説」。

《 昭和五十二年二月に刊行された書下ろし長編『パリ殺人事件』は、題名こそ不味いが、加納一朗の全作品の最高位に立つべき国際サスペンス推理小説の傑作である。この秀作を一読して欣喜雀躍した私は、題名への不満やるかたなく、あえて非礼をも省みず、加納氏に直接、批難の電話を入れたものである。加納氏の弁解は、自分としては『蜘蛛たちの夜』にしたかったのであるが、出版社側のたっての希望によって改題に妥協せざるを得なかった、というものであった。 》

 『蜘蛛たちの夜』徳間文庫1989年初版、巻末。

《 この作品は1981年徳間書店より刊行された。 》

 ネットの見聞。

《 国王に主権(=判断し、決断し、責任を取る権限)があったのを、民衆一人ひとりに主権を移すことで近代の民主主義は始まった。つまり民主主義では、民衆=主権者とは国王の代わりに政治を行う主体だ。政治サービスの消費者ではない。消費者には責任は伴わないが、主権者には責任が伴う。 》 想田和弘

《 日本赤十字社が、原子力災害時の医療救護の活動指針を作った。住民の立ち入りが制限される警戒区域内には入らず、累積被曝線量が1ミリシーベルトを超えない範囲で活動すると決めた。1ミリは一般住民の平常時の年間限度。 》

 ネットの拾いもの。

《 横浜トリエンナーレ、最初はハマトリだったけど、最近じゃ横トリ、浜松市美術館は浜美。なら、焼津市トリエンナーレをやって欲しい。 》

《 「江戸っ子だってねえ」「神田うのよ」 》