湿った風。梅雨模様。
《 日本に 除湿機をつけたい ビルの街
女子付きなら 暑さ寒さもへのかっぱ 》
六日に亡くなったなだいなだ『娘の学校 同窓会』集英社文庫1988年初版を数日かけて読んだ。
《 世の中では、勝つ事ばかりしか考えず、必勝などという字の染めぬかれた鉢巻を締め、無責任な威勢のいい議論をしたほうが受けるのだ。 》 24頁
《 そして難しい議論を嫌ってか、平和の内容の方でも、福祉より大砲を、という荒っぽい議論をする人たちの方が、現代では受けてしまう。 》 25頁
《 平和主義とは、緑を取り戻す運動であり、澄んだ空を取り戻す運動でなければならない。 》 26頁
《 ともかく、今の、日本のマスコミは、何だか、どこかが狂っている感じだ。 》 33頁
《 今や、ジャーナリズム抜きの世界を考えられない時代になった。だからこそ、常にジャーナリズムの批判を怠ってはならないのだ。 》 45頁
《 公害問題なども、根本的には人口過剰の問題に過ぎないのだ。 》 55頁
《 そして、その健康を考える人は、それ以外のことといったら金儲けにしか興味を持たない人間ばかりである。政治には無関心。他人の不幸にも無関心。そうした人ばかり。 》 80頁
《 また世界で日本ほど、ダム造りとトンネル堀りと、海岸の埋め立て工事の好きな国民はいないのだ。そうした技術を輸出輸出し、公害まで、輸出してしまっている場合さえある。 》 155頁
《 どうしてなのだろう。みんなみんな考えなくなってしまった。金儲けのためのアイデアは、実によく次々と思いつく。だがそれ以外では、考えている人を見かけなくなった。これが現代である。 》 186頁
昭和の末に書かれたとはとても思えない。二十一世紀になって、健康=若さ志向と楽して金儲けの欲望が一層むき出しになった。
この本は、装丁をした山本美智代女史から出た当時にいただいたもの。女史は、あの東大全共闘の山本義隆の奥さん。
ネットの見聞。
《 1383人。福島県内で二年間に震災関連で亡くなった方の数です。その多くは避難所への移動中の疲労、避難所での生活の疲労など原発事故によるものです。高市政調会長の発言は論外ですが、その後の発言を見ると、石破幹事長も菅官房長官もこの数字の重さを受け止めているとは思えません。 》 細野豪志