肖像の深いあかり

 朝、八月に隣の長泉町で催される、戦争の記憶の展示用に、水木しげる『コミック昭和史』1〜3巻講談社を主催者に貸す。ついでに戦時中の慰問絵葉書(竹中英太郎ほか)、軍事郵便もお貸しする。

 沼津市の牛山精肉店へ。坂部隆芳氏の女性肖像画への短文「肖像の深いあかり」を手渡す。店に展示してあるその絵画を観賞。帰りがけにブックオフ長泉店へ寄る。ぼうず。自転車でブックオフ函南店へ。奥泉光桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活文藝春秋2011年初版、菊村到『闇に匂う女』旺文社文庫1986年初版、『このミステリーがすごい! 2013年版』宝島社2012年初版、計315円。気持ち落ち着く。

 この数日は音楽漬け。本は少ししか読んでない。松岡正剛『知の編集工学』朝日文庫を前半読了。一気に読み通す本ではない。第四章に入って私と照応する記述に心が躍る。一九八○年前後のこと。おお、中村雄二郎『共通感覚論』。大いなる知的刺戟を受けた。

《 どうも時代がくるりと一回転しそうな予感があった。 》

《 「遊塾」は無料の私塾で、私の敬愛する稲垣足穂から「本当に何かやりたかったら無償のことをせなあかん」と言われたことを、そうか、なるほどとおもって、実行に移してみたものである。 》

 手紙は交わしていたけれど、お目にかかったこともない味戸ケイコさんに味戸さんの美術館を創りたいと手紙で申し出たのは、一九八○年。以後その資金作りで仕事に励んだ。

《 だいたいひとつの雑誌を十年もつづけると疲弊してくるものである。 》

 よくわかる。K美術館は、十年運営してきて制度疲労を感じ、運営方針を百八十度転換。それから五年あまり突っ走って閉館。この館でやりたいことはやってしまった。

《 ともかくこのような処置によって私の方では長年にわたって自分の手足にくっつきすぎていた〈編集〉という作業を、多少は外から眺めることができたのである。これが大きなきっかけになり、いろいろなことが見えてきた。 》

 昨日、味戸さんとじっくり話し込んで、先のことが見えてきた。

 午後、味戸さんからメール。

《 心いくまで堪能させていただきました。 》

 ネットの見聞。

《 『「リベラル保守」宣言』新潮社は、3月にNTT出版から出版される予定でした。しかし、最終の印刷直前の段階で待ったがかかり、「第3章:橋下徹日本維新の会への懐疑」をすべてカットしてほしいといわれました。もちろんその要請に応じることは出来ず、版元を変えて出版することになりました。 》 中島岳志

《 歴史の教科書において、事実誤認があればそれは修正されるべきだろう。しかし、限られた紙幅でどの事実を取り上げるかには、「考え方」が出る。都教委の今回の動きで問題なのは、事実についてではなく、事実採用の「考え方」を問題視し、そこに圧力をかけていることだ。 》 平川克美

《 オタクの聖地・東京ビッグサイトの社長に性表現規制派の元警察官僚が就任 / ネットの声「どこの陰謀だ?」「コミケ終わった」 》

《 私は、にのまえはじめ、といいます。漢字にしますと「一一」となります。 》

 ネットの拾いもの。

《 おじいちゃんに囲碁の本が欲しいって言われたからアマゾンで買うねって言ったら「そんな遠くまで行かなくていい」って引き止められた。 》