陰獣

 ブックオフ長泉店で二冊。窪美澄(くぼ・みすみ)『ふがいない僕は空を見た』新潮社2011年24刷帯付、山折哲雄『髑髏となってもかまわない』新潮選書2012年初版、計210円。

 江戸川乱歩『陰獣』、今ごろ初読み。『芋虫』もそうだったけど、読みやすい文章で、一気に読んでしまった。作者はなんと健全な精神の持ち主だろう。変態、グロテスクな人間心理に関心のある江戸川乱歩は、科学者か数学者のような冷静な眼差しで、それらを実験室で観察しているようだ。だから作品そのものはなんとも健全。

 それにしても、陰獣。エロビデオでは「淫獣」と変換されている。最近のものでは「猥婦」(ワイフ=妻)。語感=変換に感心。納涼ホラー映画『死霊の盆踊り』なんてのもあったな。

《 そう、ホラー映画の多くが「B級」と呼ばれるならば、本作品は史上初の「Z級」。 》

 ネットの見聞。

《 今なら言える。原子力船むつを解体して残った原子炉はずっと青森県の記念館に展示されてるんだけど、なんでずっと展示されてるかというと、単純に「処分のめどが全然立ってないから」である。 》

 これはコワイ。

《 「〜的」という表現は「-tic」の音訳(笹川宏之『漢字と日本語の文化史』) 》

 ロマンティック……浪漫的……。

《 餅の四角いやつって単に大量生産用の合理化商品だと思ってた。 》 岡山県