芦辺拓『裁判員法廷』文春文庫2010年初版を読んだ。「審理」「評議」「自白」の中篇三篇を収録。三篇とも本格ミステリ。あっと驚く逆転の真相。お見事。満足。小森健太郎の解説の結びに深くうなずく。
《 語りと仕掛けに長けた芦辺拓の名人芸が満喫できる、法廷ミステリの名作と言えるでしょう。 》
芦辺拓の「あとがき」から。
《 推理小説というものは大人の鑑賞にたえる、社会的体験を通じてさまざまなことを知りつくしたプロフェッショナルの手になるものでなければならず、それでこそいろんな層の読者をのめりこませるものだったのです。 》
ネットのうなずき。
《 世界は、人間は、実は残酷なんだ、というのは、やっぱりいつかちゃんと知らなくちゃいけないと思うんだよね。優しく美しいものしか知らないで育つことがいいことだとは思わない。 》 阿川大樹
ネットの拾いもの。
《 9マイルは遠すぎる (ジョギングしながら)
そして誰もいなくなった (ドッジボールをしながら)
三つ数えろ (プロレスをしながら)
11人いる! (サッカーを観ながら) 》
《 父「お前のとこのミステリ研究会って毎年人来るの?」
私「まあ、何人かは」
父「一度に大勢入ったりしないの?」
私「大勢は入らないね」
父「でも友達が入ったからそれにくっついて入る人とかもいそうじゃん?」
私「友達がいるような人はそもそもミス研に来ないから……」 》