ささめくその先の、光の屈折

 朝晩涼しくなってきた。これで元気になればいいのだけれど、夏の疲れが出てきそう。毎日なんやかやと人に会う。

 昨日は長泉町下土狩駅そば、スーパー・マックス・バリュー地下の『ギャラリーAct1』へ友だちと行った。そこに展示してある本荘赳の油彩風景画が目的。縦長の60号くらいの大きさ。友だちも渋くていい絵だね、利休のその後を感じさせる、と感心。つつましく品のある絵だ。代表作のひとつだろう。コローの森陰、セザンヌの山岳と空のはるかな親和を感じる。その親和は、日本独特のうっすらと靄った風景に霞み、幽かな遠望のささめくその先の、光の屈折の高みへと人を引き上げる。

 多くの人の目にふれるところで展示したいね、と話が弾む。が、近在では適した場所が見当たらない。

 そこまでは昨日のこと。今朝、目覚めの床でまず思いついたことは、この風景そのものが壮大な茶室だ、ということ。友だちが述べた感想からの連想だろう。そしてその先へ連想が働いた。キリスト教の伽藍にある祭壇画だ。思い浮かべるのは、エル・グレコの縦長の絵。前世紀にグレコ展で観た印象に基づいている。大きさは違うが、縦横の寸法比は同じような気がする。エル・グレコには天上を仰ぐ祈りがあるが、本荘赳には正面(水平)のその先へ向う眼差しが感じられる。ここからは試論だけれど、外の自然とは隔絶した宇宙を象徴するカテドラル(大伽藍)とエル・グレコの絵にたいして、茶室と本荘赳の絵は自然へ直接つながり、開かれている。

 私の応援している白砂勝敏氏の木彫作品が、新制作展に入選。去年の初応募初入選につづく連続入選。作品は去年よりも面白くなっていた。

 ネットで古本を眺めていて出合った本、『日本万博博覧会 人類の進歩と調和』。本来の大阪万博ではなく日本万博。人類の進歩と調和。当時空々しく感じたが、今も変わらず。

 ネットの見聞。

《 安倍首相は汚染水問題について「I assure you」と発言した。はっきりと「自分が」保証すると言ったのだ。とすれば、それが虚偽だと判明したときに他人や組織に責任を転嫁することはできないということを、確認しておきたい。 》

《 大変だ!!東電が初めて本当のことを言ってきた!!
  ↓
  東電: 汚染水、首相の「完全にブロック」発言を事実上否定 》

《 平川君もツイートしてましたが、安倍首相の「完全にコントロール」発言に東電が困惑しているようです。分かっているのは「何が起きているのか、誰も完全には把握できていない」ということだけです。希望的観測を語ることと希望的観測を「事実」として語ることは別の話です。 》 内田樹

《 日本は「移民の受け入れ」は出来ない。日本の社会に溶け込んで暮らしている在日外国人に、これほどに差別的な態度をとる国民が、移民に対してどんな態度をとるか、想像するだに恐ろしい。 》 藤岡真

《  オーストラリアの物価は日本の約二倍。こんなに広い国土にわずか2200万人。人口縮退とはいえ日本には1億2000万人。東京だけで1300万人。 》 原研哉

 ネットの拾いもの。

《 毎回大人気! ビニール袋に生卵を詰め放題! ……大惨事の予感。 》