お昼まで、私立三島高校の男女生徒さん16人と先生と、源兵衛川中流の雑草刈りなどに汗を流す。若い人は元気。つい張り切ってヘトヘト。午後、畳の上でゴロン。吹き抜ける風が心地良い。
徳岡孝夫・中野翠『泣ける話、笑える話』文春文庫2012年初版を読んだ。徳岡、中野が交互にエッセイを寄せている。中野翠「骸骨の一踊り」には淡島椿岳(1823-1889)の辞世の句が紹介されている。
《 今まではさまざまな事してみたが 死んでみるのはこれが初めて 》
ずっと、今まではいろいろなことをしてきたが死んでみるのはこれが初めて、と思い込んでいた。
《 生涯に持った「おめかけさん」が百六十人いたという。そんな人物だからこそ「今まではさまざまな事してみたが」のフレーズが効いてくるのだ。 》
いろいろ、でもいいような。椿岳は「ちんがく」と読む。若い頃知ったので、恥をかかずにすんだ。ちん、といえば。
徳岡孝夫「あ、そう。バイ」から。戦後、マッカーサーが統治していたときのこと。
《 「朕より上」 というので、悪童どもはカゲでマッカーサーを「ヘソ」と呼んでいたのである。 》
《 女の記憶は、男のより長持ちする。 》 徳岡孝夫「カンニング」
《 「立体」関するセンスはどうも女よりは男のほうが、そして日本人よりも西洋人のほうがすぐれているような気がする。 》 中野翠「真っ黒なデッサン」
「同行二人」という古い言葉がある。巡礼者が、常に弘法大師と共にいるという思いから笠などに書いたもの。「どうぎょうににん」と、今は正確に言える。間違えそうなものを一つ二つ。『正法眼蔵』(しょうぼうげんぞう)、入水(じゅすい)自殺、近日出来(しゅったい)、出色(しゅっしょく)のできばえ、乳飲み子(ちのみご)。使いたいけどその機会がない言葉に「目に一丁字もない」。「めにいっていじもない」と読む。やはり一発変換しなかった。無学で文字を読めないという意味。
序(ついで)に。読めないといえば、サッカレ『床屋コックスの日記・馬丁粋語録』岩波文庫2004年6刷。訳者、平井呈一がすごい。「馬丁粹語録」は「べっとうすごろく」と読む。表紙は「粋」。本文は「粹」。冒頭。
《 私(あっし)ゃね、御当世紀元年の生れだから、当年とって三十と七になりやす。 》
この二篇に挟まったかたちで二ページの「狂詩 巡査行」という漢詩(?)がある。ふりかな付き。最初の二行。
《 三更風雨強眞闇 町家悉閉戸就寝
唯見徘徊街上者 独酔漢無宿者耳
さんこうふううつよくしてしんのやみ ちょうかことごとくとをとざしてしんにつく
ただみるがいじょうをはいかいするものは ひとりずっこけとやどなしとのみ 》
この狂詩は、『ちくま文学の森 14 ことばの探偵』筑摩書房1988年の冒頭に収録されている。解説は井上ひさし。と思いきや。
《 井上ひさし氏からはついに解説文が届きませんでした。そこで右の詫び状をその代用品として掲げます。 編集部 》
ネットの見聞。
《 もはや日本の科学界にはイグ・ノーベル賞を狙ってる勢力があるといわれても否定できない。:イグ・ノーベル賞:「オペラで延命」など日本人7年連続 》
ネットの拾いもの。
《 東京誤倫2020
飛び込み 競技会場は、大阪は道頓堀川、心斎橋。
酒量挙げ バーレル(酒樽)を持ち上げるんだな。
優勝すれば金杯でがぶ飲みさ。メダルを噛むなんて、甘いぜ。 》