黎明

 心地良い風に吹かれてブックオフ徳倉店へ自転車で行く。彼岸花がいたるところに咲いている。公孫樹の下は銀杏だらけ。井上ひさしの単行本を五冊。『ドン松五郎の生活(上・下)』新潮社1975年初版帯付、『十二人の手紙』中央公論社1978年初版帯付、『イーハトーボの劇列車』新潮社1980年初版、『吉里吉里人』新潮社1981年3刷帯付、計525円。

 国立新美術館できょうから新制作展。初応募の去年に続いて入選した白砂勝敏氏の木彫造形作品「黎明」について、出品する前に依頼されて短文を書いた。

《  「生命の気圏」

   白砂勝敏氏の2013年の新作木彫造形作品では、
   以前にも増して多様な対比構造が螺旋状に連関している。
   重厚・軽快、隆起・沈降、上昇・下降、直行・揺曳、尖・円、……。
   素材の木と作家の気が、豪放磊落繊細細心に交感、輻湊、融合、開放し、
   一筋縄ではいかない生命の気圏を醸成している。
   何と美の危険(な誘惑)に満ちた作品だろう。                   》

 作品「黎明」は一瞥で去年より面白い=自由になっている、と判断した。私は今までにない方法論を感じて評価しているが、それは去年の作品同様、大多数には不可解だろうと思う。去年、武蔵野美大名誉教授加藤昭男氏はそれを見抜いた。氏の評価に意を強くした。

 ネットの見聞。

《 なぜウチダは無根拠にひとのことを「バカ」と決めつけ、その挙証責任を果たさないのか、とよく叱られますけど、ものがクオリアですから。「氷が冷たい理由を言え」と言われてるのといっしょで「だって、そうなんだもん」としか言えません。 》 内田樹

 美術作品についてこれはいい、これはつまらない、と私は言うが、なぜそうなのかを実証的に説得力ある言葉では言えない。作品の判断、評価には、「経験・知識・直観」が必須といわれるが、その直観が……クオリアか。

 ネットのうなずき。

《 秘密保全法に賛成するアホがいるのが理解できません。 》

《 もし魔法が使えても、私は、若い頃には戻りたくない。 》

 ネットの見聞。

《 チェルノブイリ事故後、イタリア産デュラム・セモリナが汚染されているというので、スパゲティの小麦粉はオーストラリア産に変わった。イタリア・チェルノブイリは、福島・沖縄より距離がある。福島産の米を食べるように勧める安倍晋三。 》 藤岡真

 ネットの拾いもの。

《 「あまちゃんストレス障害「PASD」発生」

  この国民的ドラマは、日本人の日常生活に深く浸透してしまった。早起きして朝7時半からのBS放送を見る「早あま」、朝見損なった人にネタをバラす「あまバレ」、見ていない人を「なんで?」と問い詰める「あまハラ」など“あま語”も続々と誕生している。

  いまツイッターで飛び交っている耳慣れない「PASD」の4文字は、「あまちゃんストレス障害」(Post Ama-Chan Stress Disorder)のこと。9月28日放送の『あまちゃん』最終回の後に訪れるであろう喪失感を、PTSD心的外傷後ストレス障害)をもじってそう呼んでいるのだ。 》

 You Tube の動画「堺市長選挙で閣下が作戦会議です」が笑える。うまいものだ。脱帽。