『エスプリとユーモア』

 嵐の前の曇天。って、台風来るのかい。来たのは吾妻ひでお『贋作 ひでお八犬伝』奇想天外コミックス1980年初版帯付。晴れ間がのぞいたので、そばの源兵衛川へ行く。横のお寺の池の方から二羽のカワセミが川へ飛んでいく。あんなところでいちゃついていたんかなあ……高校生ならワカルけど。馬鹿なことを考えた。夕方になって雨。

 河盛好蔵(よしぞう)『エスプリとユーモア』岩波新書1969年初版を再読。「ユーモアの定義」「イギリス人のユーモア」「黒いユーモア」「エスプリについて」「エスプリとユーモア」そして昨日取りあげた「あるユモリストの話」の章から成る。ユーモアの定義が意外に難しい。

《 「われらにとってユーモアは学問の手に負えない。なぜならそれを特徴づける恒久的な要素の数は少くて、とりわけ否定的であるのにくらべて、その変りやすい要素の数は限り無く多いからである。」
  以上バルダンスペルジュ教授の研究をながながと紹介してきたのは、われわれが平生なんの気なしに使っているユーモアという言葉がいかに複雑多岐にわたる歴史と内容を持っているかを示したかったからである。われわれもまたカザミアン教授の忠告にしたがって、その包括的な定義を諦めることにしたほうがよさそうである。 》 「ユーモアの定義」

 「黒いユーモア」で紹介されているものから。

《  避雷針のついた絞首台。  》

《  僕は墓地で郵便箱を見た。  》

 「エスプリについて」から。

《 ルイ十六世はリヴァロール伯がいつも自分のことを批判しているということをきいて、内相のマルゼルブに命じて彼を宮中に呼んで次のように訊ねた。
  ──リヴァロール君、時局重大な折から、君の率直な意見をききたいんだが、自分はいったいどうすればいいのかね。
  ──陛下、王様のふりをして下さい、と彼は間髪を入れずに答えた。 》

《 ある人がリヴァロールに、「どうしてちか頃は社交界に顔をお出しにならないのですか」ときくと、「もう女が好きでなくなり、男はみな知っているからです」と彼は答えた。 》

《 「あの男は金のためならなんでもするよ。善行だってするよ」 》

《 「中傷よりももっとおそろしい武器がある。それは真相だ。 》

 「エスプリとユーモア」からアメリカのジョーク。

《 「君と一緒にいるのを見たあの女性は誰なんだい──あれは女性なんていうものではないよ。僕の女房なんだよ。」 》

 ネットの見聞。

《 時代はむしろ「秘密保全法」ではなく、「ダダ漏れ法」を作るべき時だろう。中央官庁の局長クラスの部屋、重要会議室、大学でも教授会、学長室などには常にカメラと自動放送装置があり、国民が常に聞こうとすれば聞ける状態にあるようにするのが「未来の明るい日本」、「美しい日本」だろう。 》 武田邦彦

 世界の武器輸出額ランキング2008〜2012。アメリカが30%、ロシアが26%。ついでドイツ7%、フランス6%。http://www.sipri.org/yearbook/2013/05

《 「軍」が強ければ、戦争に勝てると思っていたのが、大日本帝国時代の政治家、市民の過ちで、戦略が弱ければ、軍は軍に過ぎないのに、戦略を立てられると思い込んだところが過ち。何しろ大日本帝国では、陸軍と海軍を統合的に運用するしくみ(戦略立案機能)さえ、まともになかったのだから、政治(外交)を含めた戦略を軍が立てられるわけがない。 》

 ネットの拾いもの。

《 来週からは番組がやらせだったかどうかを検証する番組

  ボコ×ボコ 》