『背表紙は歌う』

 大崎梢『背表紙は歌う』東京創元社2010年2刷を読んだ。久しぶりの大崎梢。威風堂書店員のお仕事小説シリーズから出版社明林書房の営業マンのお仕事小説シリーズへ。人物は変われど、やはり書店が舞台の「ビターな挑戦者」「新刊ナイト」「背表紙は歌う」「君とぼくの待機会」「プロモーション・クイズ」の五篇。「プロモーション・クイズ」は、書店員の活躍を描いた「威風堂書店メモ」シリーズの書店員が出した謎を解く話。

《 今や「書店員」という肩書きには大きな力がある。本を販売する人は本を扱うプロであり、本を熟知している人、という認識が広まりつつある。そういう人が薦める本ならば、きっと面白いにちがいないと期待が高まる。 》 「プロモーション・クイズ」

 そういえば、最近ウェブサイトで書店員のオススメ、なんていう記事をよく見かける。それを参考に買ったことはないが。原田マハ『本日は、お日柄もよく』徳間書店2010年初版には書店員の推薦文が五本、短冊のよう。

《 スピーチの数だけ、ほろりと涙がでていました。
  あらゆる世代の女性に読んで欲しいです。
  様々な愛情が詰まった物語。
  久しぶりに心震える言葉たちに出会えた気分です。
  登場人物一人一人の素晴らしいスピーチに拍手!! 》

 帯の推薦文で記憶にあるのはこんなもの。

《 いしかわ氏の才能に震撼した。 》
 いしかわじゅん『瓶詰めの街』の大沢在昌

《 これはもう総てのアズマニア、だけでなく総ての現代人にとっての福音書だと思いました。 》
 吾妻ひでお失踪日記』の菊地成孔

 こうして読んでくると、書店も出版も仕事にはしたくはないなあ、と思う。加えて古書店も。ましてや文筆家なんて、これは無理。こうして気楽に書き散らしているのがイチバン。でも、ブックオフならパートをしてもいいなあ、と思う(歳ではじかれるわ)。これほど本自体に頓着ないシズテムはないと思うから、気楽に対処できる。

 ネットのうなずき。

《 偽装→コスト削減→経営改善の理屈からそんなことをしたのだろうが、経営陣に実質的な実務に長けた人間がいなかったのだろう。実際、原材料を安いものに変えたぐらいで経営が上向くことはない。経営を良くするには原材料をいいものに変えなきゃダメ。もちろん、いいもの=ブランド銘柄ではない。 》 うとけんいち

《 安倍さん、靖国に参拝しようとしてたら、アメリカのケリー・ヘーゲル両氏は千鳥ヶ淵に先に行った。水俣病の水銀中毒を克服したと言ってたら、天皇陛下水俣を訪れこれから真実の世をつくっていくことが大切だと異例の御言葉を述べられた。要はアメリカからも天皇からもダメだしされてるんじゃないか。 》 atsushi

《 「自分の過去は変えられなくても、子どもの未来は変えられる」 》 元祖・伊達直人

 ネットの見聞。

《 10月22日の『いいとも!』は、テレビの象徴が自らその時代にピリオドを打つための「玉音放送」だったんです。 》 樋口毅宏

 2011年7月24日(日)のテレビの地上デジタル放送移行が、テレビの時代の終わりの始まりと考えているが。

 ネットの拾いもの。

《 知り合いの人事が面接で緊張する学生が多いのを気にして、試しに気楽な問いから質問してみたそうな。「趣味は?」「休日は何をしてます?」「将来の夢は?」すると女子学生が途中から顔真っ赤になったのでどうしたの?と聞いたら「おっ、お見合いみたいだなと思っちゃいました!」と笑顔で答えたと。 》