寒いけど穏やか。ブックオフ長泉店で三冊。キャシー・アッカー『ドン・キホーテ』白水社1994年初版、清岡卓行『手の変幻』講談社文芸文庫1990年初版帯付、七河迦南『七つの海を照らす星』創元推理文庫2013年初版帯付、ニ割引セールで計252円。
昨日買った坪内祐三『文庫本福袋』文春文庫2007年初版をぱらぱらと読んだら、惹き込まれてしまった。やっぱり書評本の類は好き。ちよっと見まわせば、狐『野蛮な図書目録』洋泉社、百目鬼恭三郎『解体新著』文芸春秋、同『続 風の書評』ダイヤモンド社、大月隆寛『独立書評愚連隊 天の巻』国書刊行会、向井敏『本のなかの本』毎日新聞社、藤森照信『建築探偵、本を伐る』晶文社、小松左京『読む楽しみ語る楽しみ』集英社、筒井康隆『みだれ撃ち涜書ノート』集英社……本棚をちょっと見ただけでこれだけの単行本。いやはや。
2003年、ダンテ/寿岳文章訳『神曲』[1]地獄篇 集英社文庫。
《 それからおよそ二十年。
ようやく寿岳『神曲』が文庫で読める日がやって来た。いよいよ私はこの大古典を通読できるのだろうか。とりあえずまず、第I巻の「地獄篇」を買ってみることにする。 》
なんだい、まだ読んでいないのか。私は「地獄篇」は読んだ。
2003年、ヴァルター・ベンヤミン『パサ−ジュ論』第一巻 岩波現代文庫。
《 だから彼は、例えば「モード」について、こう言う。「大衆の音頭をとるのはつねに最新のものである。だが最新のものが大衆の音頭をとれるのは、実はそれがもっとも古いもの、すでにあったもの、なじみ親しんだものという媒体を使って現れる場合にかぎってなのである」。 》
『パサ−ジュ論』、読みたくなる。手元には最終巻の第五巻のみ。ブックオフで105円。
2002年、姫野カオルコ『ほんとに「いい」と思ってる?』角川文庫。
《 十年以上前からずっと感じていることだが、姫野カオルコは、作家として以上に、いつか、コラムニストとして本格的にブレイクする人だと思うのだが。その日はいつだろう。 》
それから十年。いまだ来たらず。姫野カオルコの本は全部買おうと思っている。手元の文庫本は現在三十冊。小沼丹『黒いハンカチ』創元推理文庫、中原淳一『中原淳一の幸せな食卓』集英社be文庫ににっこり。
《 ここに登場する最年少の凄玉芝山幹郎というのはもちろん……。 》
1970年、新宿三丁目近辺で加藤郁乎、松山俊太郎らの群のしんがりに私はいた……芝山幹郎とはその時言葉を交わした。
《 しかし私は、ミステリやSFは好きではないから、都筑氏の本業である小説とは無縁であった。 》
どうりでミステリ、SFがほとんどない(小沼丹『黒いハンカチ』はミステリ)はずだ。
《 谷中安規の版画や挿絵は本当に素晴らしい。 》
同感。
《 私は読者として、作家村上春樹は×、翻訳家村上春樹は○、ノンフィクションライター村上春樹は○、コラムニスト村上春樹は◎である。 》
《 社会派ノンフィクションライター村上春樹は×である。 》
《 最近の村上春樹の小説が好きでない私も、村上春樹が世界的な作家であることは認める。 》
まだ作家村上春樹しか知らない。たしかに最近の小説で感銘したことも、感心したことも、そういえば記憶にない。良ければ布教用にもう一冊買っている。上記『黒いハンカチ』は布教用がある。
ネットの見聞。
《 今も議員会館の外では「特定機密保護法絶対阻止!」を叫ぶ大音量が鳴り響いています。いかなる勢力なのか知る由もありませんが、左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう。
主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます。 》 石破茂
《 自民党の石破幹事長がブログで、議員会館前で秘密保護法に反対して抗議行動している人たちのことを「テロと変わらない」と書いてる。無力だけど黙って見過ごせないから声を上げているだけなのに、そんなささやかな抗議行動さえも「テロ」にされちゃったら、もう「お上には盾つくな」ということだよね。 》
ネットの拾いもの。
《 生ジンジャーエールを注文し、美味しく飲んでいたら、店員さんが飛びだしてきて、「すみません、それ、生ジンジャーハイボールでしたー」。おかげで、せっかくの休肝日が消し飛ぶ。だが、店員さんに言われるまで気付かず「うまいうまい」と飲んでいた自分が悲しい。 》