一九四○、一九七二、二○一一

 中京大学アートギャラリーC・スクエアが来年三月で閉鎖という知らせが届く。上條陽子展をK美術館で催していた時、担当者が来館。そしてそちらで上條陽子展が催された時初めて訪れた。興味深い企画展がいくつも催された。なかなか行けなかったが。終わりはどこにも訪れる。

 注文した「ミステリ珍本全集第2回配本」、輪堂寺輝『十ニ人の抹殺者』戎光祥出版2013年初版帯付が届く。やっと眼にすることができた幻の本。日下三蔵の「編者解題」から。

《 このように本書に収録した『十ニ人の抹殺者』と中篇「人間掛軸」のニ篇は、決して完成度の高い傑作ではないが、本格ミステリ精神にあふれた愛すべき作品であるといえる。 》

 挟み込みの「月報2」、芦辺拓「絶滅種探偵小説──『十ニ人の抹殺者』再刊に際して」から。

《 悪くは取らないでいただきたいのですが、本作品のようにいかがわしく、奔放というよりいいかげんでエログロで、ハッタリを利かせつつも大ハズレといった部分は、探偵小説が本来はらんでいた要素であり、しかし今ではすっかり失われてしまったものです。 》

 ワクワクするなあ。続刊には栗田信『発酵人間』、大河内常平『九十九本の妖刀』など、まさに幻の「ミステリ珍本全集」だ。

《 一九七○年から七二年にかけてというのは、戦後史の(いや、日本近代史の)、一つの大きな転換期である。 》

 上記、昨日引用した坪内祐三『一九七二』文春文庫につながるネットの書き込み。

《 11月半ばの新聞に、セブン&アイ・ホールディングスの見開き2ページ広告がうたれ、その右側1ページに「セブン‐イレブン創業40周年記念 国内売上高3.5兆円。国内15,800店舗。」という文字と数字が掲載されていた。 》

《 調べてみると、12年の書店数は1万4696店、セブン‐イレブンは1万5072店なので、店舗数の逆転はすでに昨年に生じていたことになる。 》

《 このような事実は、これが1970年代以後における出版業界の変貌の行き着く先のひとつであったことを思い知らされる。それまで出版業界は出版社・取次・書店という近代出版流通システムによって営まれてきた。しかしコンビニの70年代前半の誕生を機にして、雑誌のための出版社・取次・コンビニという現代出版流通システムが立ち上がったのである。 》
http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20131201/1385823630

 日本の政治経済について一九四○年体制という仮説がある。昭和十五年に始まった体制が戦後も延命したという論。一九四○年〜一九七二年〜二○一一年。ほぼ四十年の間隔。今は新旧勢力のせめぎあいの時か。すでに時代は変わったと直感しているが。簡略にいえば、拡大競争から分散均衡へ。

 ネットのうなずき。

《 石破茂「左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう」 → 町中を走り回る選挙カーはすべて「テロ行為とその本質においてあまり変わらない」ことになる。 》

《 石破さんが在特会のヘイトデモを「テロだ」と言った話は聞かない。それが特定秘密保護法に反対するデモに対して「テロだ」と言うという事は「自分の気に入らない主張はテロ認定するぞ」という政治家の脅しに他ならない。このような政治家が政権にいる恐ろしさを国民は理解しているのだろうか。 》

 ネットの拾いもの。

《 2か月ほど前に買った本を読み直そうと探したが、全く見つからない。
  どこを探したらよいかも解らない。
  終わってますね、自分。   》 小林文庫オーナー

《 大阪のおばあちゃん最強。バスに乗ってきて、後ろの方の席に座って、いきなり運転手さんに四方山話始めた! 運転手さんも信号待ちのときに、相槌うって話の相手してあげてる。 》 森岡正博