宝くじの最終日とか。家の前は左向きが大渋滞。左百メートルにみずほ銀行の宝くじ窓口がある。
西村京太郎『おれたちはブルースしか歌わない』講談社1975年初版を読んだ。『名探偵なんか怖くない』があまりに良かったので、続いて未読のこの本を。副題が「青春推理」。語り手の大学二浪の十九歳「おれ」は仲間とアマチュアバンド(男四人女一人)を組んでいる。全然売れないが、彼らの作った歌が静岡市のバンドに盗まれて地元で人気上昇中をラジオで偶然知った「おれ」は、みんな静岡へ行く。バンド仲間の親戚で、武家屋敷を改装した旅館に宿泊するが、そこで起きた連続殺人に巻き込まれる「おれ」。
昨日紹介した、小説の魅力の第一は文章の巧みさだ、の見本のような文章で一気読み。「読者への挑戦」、コロンボ風の刑事を相手に転変する犯人像、小技のトリックそして、なによりも青春の妄想と渇望、おののきがリアルに描かれている。うまいわ。脱帽。
『名探偵なんか怖くない』が先達の老名探偵へのパスティーシュだったのにたいして、『おれたちはブルースしか歌わない』は1970年代半ばの青春像を描いている。金欠、童貞、オナニー、キスなどなど。我が身を振り返って、あ〜あ、だったよなあ、とつくづくしんみり。
《 きれいだったな。あの眼は。男は仕事をしている時が一番美しいってよくいうが、女だって、何かに熱中している時が一番美しく見えるもんだね。 》
一昨日見た気がするなあ。
《 若者の自動車熱(カーブーム)も下火になったなんて、新聞に書かれたことがあるが、ありゃあ嘘だね。第一、他に、おれたちをシビれさせてくれるものがないじゃないか。 》
今は車以外にカラオケ、スマートフォン、ゲームなどいろいろあるからなあ。
《 「女は、好きな男のためなら、どんなことでも許すが、嫌いな男には何も許さない」ということだよ。 》
西村京太郎45歳の作。そして結び。
《 おれたちには、やっぱりブルースが似合うんだな。》
ネットで出合った小池一夫の言葉。
《 若者の中には若さしかないが、老人の中には若者が潜ンでいるんだぜ。 》
強風にも負けずブックオフ長泉店へ自転車で行く。みうらじゅん『みうらじゅんの映画批評大全』洋泉社2006年2刷、山梨俊夫『現代美術入門』中公新書1999年初版、三上延『ビブリア古書堂の事件手帖4』メディアワークス文庫2013年初版帯付、計315円。
日本ユネスコ協会連盟による2013年度、第5回「プロジェクト未来遺産」に源兵衛川が登録された。
http://www.unesco.or.jp/mirai/news/2013/6371319000012.html
NHKテレビ総合、23日(月・祝)午後0時15分からは『ひるブラ』の再放送で源兵衛川が紹介される。
http://www4.nhk.or.jp/hirubura/x/2013-12-23/21/5500/
NHKテレビ総合、26日(木)午後3時15分からは『金とく 富士山』の再放送で源兵衛川を案内する私。
http://www.nhk.or.jp/nagoya/kintoku/encore/20131226/index.html
ネットの見聞。
《 安倍政権になって、日米安保維持をすべきと考える米国民が22ポイントも急下落。アジアにおける最重要パートナーについても中国に逆転されている。米国との軍事同盟を背景に強気に出ている現政権の戦略を考えるうえで大事なこのことを、5面ベタでしか報じない毎日新聞のニュース感覚に驚く。 》 Shoko Egawa
《 普通に考えて、軍需産業の利権とかを持たない一般の米国人にとって、日本と中国のいざこざに巻き込まれるのは面倒かつ危険なだけだもんな。もっと言うと、日本のために中国と戦争をすることを、米国世論が絶対に望むわけがない。そして世論の後押し抜きに米国政府は決して戦争はできない。 》 想田和弘
《 人の長所がわからず短所に対する厭悪感の強いのを小人といい、人の長所がよくわかり短所に寛大なのを君子といいます。そして、古人は、君子をつくり小人をつくらないのを教育の根本方針としていたのです。 》 岡潔bot
ネットの拾いもの。