「名探偵も楽じゃない」

 昨日コピーして貼った作家の石坂英太郎は、ミステリ作家石沢英太郎の間違いだろう。

 朝雨は止んだけれど、今にも泣き出しそうな曇り空。こういう日は動きも鈍くなる。一番近いブックオフ長泉店へ自転車で行く。ピーター・ラムゼイ他『シャーロック・ホームズ 四人目の賢者原書房1999年初版帯付、山田風太郎『奇想小説集』講談社大衆文学館文庫1995年初版、計210円。後者は贈呈用。降りそうでせわしなく帰宅。夕方降り出す。

 西村京太郎『名探偵も楽じゃない』講談社文庫1982年初版を読んだ。『名探偵なんか怖くない』『名探偵が多すぎる』に続く名探偵シリーズ第三作で、1973年刊行。今回は、ホテルの最上階で起きる連続殺人に四人の老いた名探偵、明智小五郎エラリー・クイーンエルキュール・ポアロ、そしてメグレが遭遇。

《 「四人の世界的名探偵、九人のミステリー・マニア、そして、無名ですが、左文字も、現代の名探偵を自負しています。しかもホテルの最上階という限定された場所。こう考えてくると、犯人にとって、もっとも危険な場所であり、もっとも危険な状況の中で、あえて連続殺人に挑んだことになります。少しでもミスをすれば、四人の名探偵の方々ならずとも、ミステリー・マニアの皆さんが、忽ち、それに気付いてしまう筈です。下手なトリックは、犯人にとって、忽ち、命取りになるでしょう。そんなことは、犯人は、百も承知の上で、自信満々、カードによる挑戦状つきで、連続殺人を始めたのです」 》 187頁

《 「すでに、五人の男女が殺された。しかも、その中、四人は、われわれが見張っている中で殺されたんだ。しかも、犯人は、例のカ−ドによる挑戦状を残している。警察の面目は丸つぶれだ。」 》 243頁

 犯人はどんなトリックを使ったのか。物語は軽快に進む。二転三転する犯人像と犯行の手口。そしてやはり四人の名探偵が見抜く犯人とその手口。いやあ、面白かった。四十年前の発表とは。時代の臭いをほとんど感じさせない。中島河太郎の解説では、四人の名探偵シリーズは次作の『名探偵に乾杯』1976年で一区切り。
《 あいにくポアロが亡くなっているので、助手のヘイスティングスがやってくる。 》
 これは持っていない。いつか読みたい。1973年の時点でミステリー・マニアという言葉を使うとは、ちょっとおどろく。当時は推理小説という言葉が主流だった。

 ネットの見聞。

《 日本の貿易相手国 1位中国 2位米国 3位韓国。この3国を怒らせた首相を初めて見た。貿易が成り立つところには長年積み重ねられた信頼関係がある。それを大きく傷つける行為。 》 中沢けい

《 ずっと普天間基地辺野古移転に反対してきた沖縄県が、ここに来て急に政府に理解を示したことで、「時間をかけて誤解を解くよう努めれば必ず理解してもらえる」という妙な信念が首相に生じ、今日の参拝につながったのではないか。会見で首相が「誤解」という言葉を使っているのを聞いてそう思った。 》 原武史

《 靖国問題:26日朝日「オバマ政権は26日、安倍首相の靖国神社参拝で、在日米国大使館を通じて”日本は大切な同盟国であり友好国だが、日本の指導者が近隣諸国との関係を悪化させるような行動を取ったことに、米国政府は失望している”との声明を発表した。」 》

《 おはようございます。新聞のTLも首相の靖国参拝問題で埋まっております。アメリカ大使館のdisappointed声明が大きく取り上げられておりました。アメリカは安倍政権が「制御不能」になり、日中の軍事的トラブルにアメリカを「巻き込む」リスクを本気で懸念し始めているようです。 》 内田樹

《 米国大使館の声明って、(なにかあった場合)米国は日本より中国を優先するよ、という事前通告みたいなものだよね。誤解を解くとか解かないとかのレベルじゃなくて。そのつもりで行動しなさいね、という意味だと解釈した。 》

《 安倍首相、ブレーキ装置を喪失している。リベラルも現実派もいなくなっているのか。兄貴分から梯子を外され、弟達から孤立するまで、止まらない。 》 平川克美

《 「祖父の無念を晴らす」なんて極めて狭量で個人的な私怨のために軍事国家化が進み、国民が巻き添えになりつつある。欧米からも危険視されつつある日本。安倍氏から日本を取り戻さないと、取り返しが付かないことになる。 》 弁護士川口創

《 それにしても自民党も変わっちゃったなあ。ここまで総理が世界中から危険視され、陛下が繰返し不信を表明するようになったら、昔なら間違いなく党内から倒閣運動が起こったと思うけどね。だからこそ、自民には安定感があって、支持者が多かったわけだよね。今はその気配すらないもんなあ。 》 松井計

《 まあ実際、靖国訪問が中国や韓国に何らかの「打撃」を与えたかと言えば、何もない訳で靖国訪問により得られた「外交的」利益はほぼないに等しい(内政は知りません)。確実なのは、中韓両国にて関係修復に動いていた人の立場が失われた事、そして第三国(特に旧連合国)の心象を悪くした、と言う事。》

《 国のために死んだ英霊、という無責任な言葉に怒りを感じる。これは人が命を捨てねばならないような国に、日本を追い込んだ人たちが、自分を正当化するために喧伝した欺瞞だ。そんな国を二度と作らない決意が真にあるなら、為すべきことは他にあるはずだ。 》

 ネットの拾いもの。

《 銀行残高と手持ちの現金合わせて四万円切った。きびしい年末である。 》

 じっと手を見る。